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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十二話 一同、北に向かうのことその八

「枝豆も好きになったし。その日本の」
「ああ、孫策さんもわかってるな」
「ええ。あれもいいわ」
 こうだ。笑顔でテリーに返すのだった。
 だがそれでもだった。納豆だけは。
「あれは困るわね」
「残念です。こちらの世界でも納豆スパゲティが受け入れられないのは」
「まあ別のスパゲティでもいいだろ」
 テリーはこう言って弟を宥める。
「ミートソースでも何でもな」
「確かに。その通りだけれど」
「ワインにも合いますし」
「葡萄酒ね。あれは好きよ」
 流石に酒好きの孫策だった。ワインにも通じていた。
「紅いお酒って雰囲気もあるしね」
「俺はどぶろくでも飲むぜ」 
 丈はこの辺り何でもだった。
「あれもいいよな」
「そうそう。濁酒もそれの味があるのよ」
「幾らでも飲めるぜ、酒ならな」
 こんな話をしてリラックスしている彼等だった。そしてだ。
 劉備もだ。全軍に対して告げるのだった。
「では今より全軍」
「よし、いよいよか!」
「それならな!」
「しゅ、出陣だ」
 あの三人だった。真ん中のと小さいのと大きいのがだ。
 それぞれだ。兵達の中から劉備に向けて言う。
「俺達もこの時を待ってたんだよ!」
「ずっとやられ役だったからな!」
「そ、それももうすぐ終わり」
「うちあんた等のそっくりさん何度も見とるけれどな」
 その彼等に張遼が突っ込みを入れる。
「声皆同じやな」
「ま、まあそれは」
「何というか」
「気にしないでもらえたら」
「それに外見も同じやしな」
 次に指摘するのはそれだった。
「ほんまに何でや」
「俺達に言われても」
「っていうかいつも言われますけれど」
「こ、困るんだな」
「まあなあ。言っても仕方ないけどな」
 それでもだと言う張遼だった。
「どうなんやろな、この辺り」
「ま、まあとにかく」
「何というか」
「それは」
 口ごもる三人だった。しかしだ。
 張遼の表情は明るくだ。こう三人に言ったのである。
「ほな最後の戦や」
「はい、気合入れていきます」
「ここで最後ですからね」
「お、おで必死にやる」
「その後や」
 張遼が言うのはこのことだった。
「宴や派手にやるで」
「あっ、そっちですか」
「そっちにですか」
「じゅ、重点があった」
「当たり前や。うち等は絶対に勝つ」
 確信の笑みがその顔にあった。
「そやったら後が大事に決まってるやろ」
「確かにそうですね」
「それだったら戦の後で」
「は、派手にやる」
「そや、いくで」
 こう三人に話すのだった。そうしてだ。
 劉備はだ。全軍に命じたのだった。
「では勝ちに行きます!」
「よし、勝つ!」
「絶対にな!」
 兵達も声をあげてだ。そのうえでだ。
 決戦の場に向かう。今彼等は出陣したのであった。
 劉備も白馬に乗り出陣する。その両脇には。
 それぞれ車に乗る孔明と鳳統がいる。その車を見てだ。
 リムルルがだ。こっそりと歩いている徐庶に尋ねたのだった。
「あの車だけれど」
「どうして自然に動いてるかよね」
「そう。それはどうしてなの?」
 こう徐庶に問うたのである。
 
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