恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十二話 一同、北に向かうのことその二
そうしてだ。そのうえでだった。陸遜にだ。
こうだ。強い声で問うたのである。
「そのリョウシツを倒すことはできるか」
「できます」
「できるのか」
「確かに強力極まる魔神ですがそれでも倒せます」
それは可能だというのだ。
「ただ。尋常ではない力を持っていますので」
「それは容易ではないか」
「はい、その通りです」
まさにそうだと答える陸遜だった。
「普通の武具やお札、術の類は効果がありますので」
「わかった。それならだ」
「あの狐は絶対にやっつけるのだ」
関羽と張飛が強い声で陸遜に告げた。
「そして二つの世界を絶対にだ」
「守ってみせるのだ」
他の三人も同じだった。強い表情になっていた。
そしてその表情を見てだ。陸遜も微笑んで述べた。
「頑張って下さいね。是非共」
こうしてだった。リョウシツとの決戦のことも考えられるのだった。決戦の時は刻一刻と近付いていた。
そしてだった。その中でだ。
あかりはだ。外で北の空を見つつだ。十三に述べたのである。
「ほんまこれやばいで」
「そのリョウシツの気か」
「他にもよおさんおるしな」
「オロチに刹那にアンブロジアにな」
「あと朧とかネスツもおるわ。于吉とかもな」
「本当にうじゃうじゃいるな」
十三はこのことを再認識して嫌な顔になる。
「どうしたものだよ」
「まあ決戦ではや」
「どうやって戦えばいいんだろうな」
「各個撃破やな」
あかりが言う考えはこれだった。
「それや」
「各個撃破か」
「それしかないやろ。どんな強い奴でも個別に潰していけばええやろ」
「それはそうだけれどな」
「そやったら決まりやな」
あかりは十三に顔を向けて述べたのだった。
「あの連中、個別に潰すで」
「リョウシツも刹那もだな」
「そやったら勝てる」
陰陽師としての言葉だ。
「確実にや」
「勝たないといけないからな」
「そういうこっちゃ。確かに敵は強いけどな」
だがそれでもだというのだ。
「勝つで。絶対にな」
「そうせんとな」
こうした話をしてだった。あかりは北を見ていた。そこにまさに彼等がいるからだ。
嘉神もだ。リョウシツのことについてだ。仲間達に話すのだった。彼等は今店の中で飲んでいる。そうして料理も食べつつそのうえで話をしていたのである。
その中でだ。嘉神は杯を手に述べた。
「清の古書にあったが」
「山海経ですね」
李烈火がすぐに答える。
「確かあの書にあの魔物のことは」
「書かれていたな」
「あれは空想の産物だと思っていました」
その中国人のだ。李もだというのだ。
「ですがこうしていたということにです」
「貴殿も驚いているか」
「はい」
まさにその通りだとだ。李も答える。
「そしてその妖力ですが」
「尋常なものではない」
「恐ろしいことです」
李もだ。その顔を蒼白にさせている。歴戦の戦士である彼もだ。
そしてだった。嘉神はまた言うのだった。
「あの狐も何もかもを倒さなくてはだ」
「二つの世界が完全に」
「まずはこの世界だ」
滅ぼされるのはだというのだ。
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