ハッピークローバー
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第六十四話 料理部だから思うことその十一
「背高くないでしょ」
「そうなのよね、これが」
かな恵もその通りだと応えた。
「北欧とかだと大きい人多くて」
「赤道線に近いとね」
「小さい人多いわよね」
「そうでしょ」
「それでブラジルの人達も」
「あまりね」
これといってというのだ。
「大きくないのよ」
「暑いとそうなのね」
「ええ、他の生きものでもね」
人間以外のというのだ。
「やっぱりね」
「寒いと大きいわよね」
「シロクマとかね」
ホッキョクグマという正式名称のこの生きものもというのだ。
「狐とかでもね」
「北海道のキタキツネって大きいしね」
「そうでしょ」
「同じ日本でも」
「北海道の生きものは大きいのね」
「キタキツネもそうで鹿だってね」
この生きものもというのだ。
「エゾシカはね」
「大きいのよね」
「ニホンジカよりもね」
「本州とかにいる鹿よね」
「ええ、同じ種類でも」
日本の鹿でもというのだ。
「亜種位の違いでも」
「大きさは違うのよね」
「寒いからね」
その分というのだ。
「そうなのよ」
「日本でもそうよね」
「何かね」
かな恵はこうも言った。
「ヒトラーも実はね」
「ちょび髭のね」
「小さいって言われたけれど」
「あの人実は一七五あったのよね」
一七二だったという説もある。
「これが」
「それでドイツ人もね」
「ドイツも寒いしね」
「大きいのねって思ったわ」
「いや、あの人実は」
ブラジルから来た娘はヒトラーのことも話した、悪名といえどもやはりこの人物を知らない人間はいない。
「当時のドイツ人の中でもよ」
「小さくなかったのよね」
「そうよ」
その実はというのだ。
「均整が取れている」
「そう言ってよかったわね」
「ゲーリングで一七八だから」
ナチスのナンバーツーで航空関連を取り仕切っていた彼はというのだ。
「大きいって言われてたけれど」
「ゲーリングでそれだと」
「ヒトラーはね」
「そんなに変わらないわね」
「今の日本にいてもよ」
ヒトラーはというのだ。
「全然ね」
「小さくないのよね」
「それでね」
「あの人はまた別よ」
「今のお話とは」
「むしろドイツ人自体がね」
「寒いから」
それでというのだ。
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