超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第二百十三話 外山リキ その1
第二百十三話 外山リキ その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
外山リキは元断罪者である。
断罪王現象により、断罪者となった外山リキは、ある罪を犯し、断罪者収容所に収監され、数年後に出所、社会復帰した。
外山リキは現在、断罪者収容所から釈放された元断罪者の多くが働いている作業所に務めている。
作業所からの帰り道にある橋の上に、今日も見慣れた女性が立っている。
女性はずっと橋の下を流れる川を見ている。
しかし、橋の下を流れる川は、ずっと見ていたいとは思えないほど汚れていた。
リキはほぼ、毎日、橋の上から汚い川を見下ろしているその女性に少し興味があった。
なぜなら、その女性は橋の下を流れる汚い川とは対照的に美しい女性であったからだ。
リキがその女性の特に興味を持った部分は、その女性の身に着けいてる衣服がいつも地味な服装であったからだ。
黒いセーターに黒い長スカート、不吉を象徴する色の衣服に身を包みながらも、美しい容姿を持つ、その女性にリキは次第に惹かれていった。
作業所での勤務を終えたその日は雨だった。
雨の日もその女性は傘をさした状態でいつもと同じ場所から川を見下ろしているのだ。
でも、その雨の日だけ、その女性は傘をさしていなかった。
女性に話しかけるチャンスと思ったリキは、女性に傘をさしだしながら話しかける。
「傘、忘れちゃったんですか?」
女性がリキに振り向く。
「あなだ、誰?」
リキはショックだった、いつも橋の上を通っているにもかかわらず、その女性にまったく興味を持たれていなかったことがわかったからだ。
「俺は、リキ、外山リキです」
「その制服、近所の作業所で働いてるんでしょ?あの、やべーやつらが野菜とか作ってる作業所?」
女性が言っていることは確かに正しいのかもしれない。
しかし、俺は不快感を隠せずに彼女をにらみつける。
「ごめんごめん、ちょっと言い過ぎだったね。でも、あの作業所で働いている人たちが前科者なのは事実だよね?君は、何をやったの?」
「名前...」
「は?」
「名前、教えてくれたら、俺が犯した罪のこと...教えてやる」
「イヅミ...霧島イズミよ、これでいい?」
「うん、俺は妹を『いじめていた』父さんを殺した...それで、専門家の人に色々調べてもらったたら、俺は断罪者(社会不適合者)だったらしくて、それで、断罪者収容所に収監された...」
「ふ~ん、断罪王現象で断罪者(社会不適合者)になった人間が人を殺しても死刑にならないって噂、本当だったんだ。私、人殺しの人とお話したの初めてかも!」
「君はどうして、いつもここで、橋の上から川を見ているの?」
「家に帰りたくないの、私。私のお母さん、再婚したんだけど、私、お母さんの再婚相手の人とうまくいってなくて...」
「まぁ、君からしたら他人だもんね...」
「うん、だからすっごいいやらしい目で私のこと見てくるの、もう最低!」
「なんか、嫌なことされたの?」
「うるさい‼」
「ごめん、ちょっと無神経だったかな...」
「うん、無神経、こっちはとっとと忘れようとしてるのに...でも、この川を見ていると落ち着くのよ...」
「こんな汚い川なのに?」
「汚いから好きなのよ、周りのみんなに汚いと思われているこの川は、それでも、流れを止めることはない。私はこの川みたいに強くなりたいの」
「...学校とか、言ってるの?」
「急に話題変えたの、私のこと変な女だと思ったから?」
「ち、違うと思う...どっちかっていうと、なんて答えていいのか、わからなかったから...」
「通信制。私のお母さん、貧乏なの、だから、お金持ってる人と再婚したの」
「それじゃあ、なんで通信制の学校に通ってるの?」
「お母さんの再婚相手の人に恩を着せられるのが嫌なの。だから、私、お母さんに嫌われちゃった...私が再婚相手の人と『仲良く』できないから...リキ君、趣味は?」
「趣味?まぁ、テレビ鑑賞とか、かな...」
「つまんな」
「作業所から帰っても、妹の世話とか、家事とかで忙しいんだよ...」
「私の趣味はコレ」
イズミがリュックサックからスケッチブックを出して、リキに手渡す。
リキはスケッチブックをめくる。
「うわぁ、すげぇ、イズミって絵が上手なんだね」
「うん、好きなんだ」
リキは夢中になってスケッチブックのページをめくる。
リキはスケッチブックに書かれた見覚えのあるイラスト↓を見て、困惑する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「これって...」
そう、スケッチブックに書かれていたイラストは断罪者(社会不適合者)にしか書くことができないイラストだった。
「ああ、その絵は最近、おぼろげながら頭に浮かんできたのよね」
「そ、そうなんだ...!」
「どうしたの?具合悪いの?」
「ううん、大丈夫...」
「それより、リキ君、私のこと好きでしょ?」
「うん...」
「でも私は正直、リキ君は無理、マジで無理、顔見てるだけでゲロ吐きそう。でもさ、リキ君が私のお父さん殺してくれたら、私、リキ君と結婚してもいいよ」
「それなら、俺じゃなくて君のほうが適任だと思うけど...」
「ハァ?どういうこと?」
「イズミ、君は断罪者(社会不適合者)だよ。だから、仮に君がお母さんの再婚相手を殺しても、君は絶対に死刑にはならない」
イズミがリキの胸倉をつかむ。
「あんた!私に振られたからって、喧嘩売ってんの?」
「喧嘩売ってないよ...!今度、リンクセンターに行って確かめに行こうよ、お金は俺が払うからさ...」
こうして、悲劇が始まった。
次回予告 外山リキ その2
後書き
次回もお楽しみに
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