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イベリス

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第八十四話 合宿その五

「そっちは」
「ええ、そっちもね」
 副部長はそちらを見てから咲に話した。
「結構以上にね」
「順調ですか」
「これは思ったより早くね」
「完成しますか」
「そして刷ってね」
 そうもしてというのだ。
「それでコミケとかにもね」
「出せますね」
「そうすることもね」
「出来ますね」
「きっとね」
 それこそというのだ。
「出来るわ」
「それは何よりですね」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「だからね」
「全部終わったら」
「後は漫画をですね」
「好きなだけ読めるわ」
「わかりました」
 咲は副部長の言葉に笑顔で応えた。
「それじゃあ」
「ええ、だからね」
 それでとだ、副部長も言った。
「これからはね」
「頑張ってですね」
「そうしてね」
「完成させて」
 サイトも同人誌もというのだ。
「それでよ」
「後は楽にですね」
「漫画を読みましょう」
「漫画三昧ですね」
「他のことをしてもよ」
 漫画を読む以外のこともというのだ。
「いいしね」
「ラノベとか読んだり」
「先生の許可が下りたら」
 顧問のというのだ。
「ボードゲームやテレビゲームをしてもいいし」
「スマホの方も」
「そうしてもいいし」
 こちらもというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「まずはよ」
「完成させることですね」
「遊ぶなら」
 それならというのだ。
「やることをね」
「全部済ませて」
「そうしてからでしょ」
「はい、私ずっと親に言われてました」
 咲は副部長に答えた。
「遊ぶならです」
「やることをやってからって」
「宿題とか家事とかモコのお散歩とか」
「モコ?」
「うちの犬です、トイプードルの女の子です」
 モコと聞いて首を傾げさせた副部長に説明した。
「とても可愛くて優しくて頭がいい娘なんです」
「大事にしてるのね」
「はい、それでそのモコのこともです」
「してからなのね」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「遊びなさいって」
「親御さんに言われてきたのね」
「お父さんにもお母さんにも」
 両方にというのだ。 
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