超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第二百九話 川口ヨシキ その5
第二百九話 川口ヨシキ その5
今回の事件の黒幕である、桜原カエデの策略によって、大勢の断罪者が依頼人である川口ヨシキを殺すため警察署内に侵入した。
会議から戻った俺は『断罪陣』を発動して、警察署内と警察所の敷地内にいる断罪者達を正常な状態に戻し、気絶させた。
そして、警察署内には、俺の発動した『断罪陣』によって本来の力を十分に発揮できなくなった桜原カエデがいた。
桜原カエデの体は、俺の『断罪陣』から放たれた狂撃波動を全身に浴びながらも、その動きを止めることはなかった。
「桜原カエデ...この人が『アイツ』の正体...石間さんの元カノ...!」
「いや、付き合ってねぇし‼あと、新田、そいつに銃は通用しないぜ」
俺は再び、過去と対峙することになってしまった。
「にしても、肉体のほとんどが狂撃波動で構成された、お前が、よく俺の『断罪陣』の狂撃波動をくらって、動くことができたな」
俺の言葉に奈良見が疑問を感じて質問してくる。
「肉体のほとんどが狂撃波動で構成されている...?」
「ああ、桜原カエデはかつて多くの仲間を失った心の傷を癒すために、自らの肉体に自身の狂撃波動を最大無制限に放った、わかりやすくいえば、現実逃避のために自らの心と体を狂気に染めたんだ。つまり、桜原カエデに狂撃波動を命中させることができれば、俺の狂撃波動が断罪者を正常な状態に戻すのと同じ原理で、桜原カエデを一時的に弱体化させることができる」
「一時的に弱体化?正常な状態には戻せないの?」
「残念ながら、それは不可能だ。なぜなら、桜原カエデが自分自身に放った狂撃波動は、桜原カエデ自身が己にかけた呪いみたいなもんだ、呪いを解くには、本人の意思が必要不可欠なんだ」
「つまり、桜原カエデは狂撃波動を放つことができる断罪者というわけね」
「その通りだ、おまけに肉体のほとんどが狂撃波動で構成されているせいで、エネルギー不足を起こさずに無制限に狂撃波動を放つことができる、まさに人の形をした怪物さ」
「わざわざ、ご丁寧な説明ありがとう、コウイチ...でも女の子を怪物呼ばわりするなんて、ホントひどい男...」
「事実だから...仕方がないよ...それより、どうした?体が動けるなら、反撃して来いよ」
「あなたの狂撃波動で私を一時的に弱体化させておきながら、よく言うわ...」
「俺達を監視していたお前なら、俺の『断罪陣』の巻き添えにならずにすんだはずだ、なぜ手を抜いた?」
「手なんて抜いてないわよ、あなたの狂撃波動の威力が数十年前より増していただけよ...!私があなたの力の進化を見誤っていただけ、それが私の敗因...」
「俺の狂撃波動の威力が数十年前より増していただと...!どういうことだ?」
「もしかしたら、あなたも私と同じ、怪物なのかもしれないわね...!ウフフフ...!」
女刑事の新田みくが一時的に弱体化させた桜原カエデに銃口を向ける。
「よせ、新田、アイツは一時的に弱体化しているだけなんだぞ!」
「でも、コイツを殺すチャンスはおそらく今しかないわ!」
「新田、お前は刑事だろ?カエデを殺す前に川口ヨシキの身の安否を確かめるほうが先だろうが!」
「わかったわよ...!でもこのチャンスを逃して、あとで後悔しても知らないわよ!」
新田が警察署に保護されている川口ヨシキの身の安否を確認するために、階段を駆け上がっていく。
「おい、奈良見ィ、お前の狂撃刀をよこせ!」
「でも、石間さん、『断罪陣』を発動したせいで、今は狂撃波動を使えないはずじゃ...それに!」
「お前、バカか?だから狂撃刀をよこせって言ってんだ!」
奈良見から手渡された狂撃刀が狂撃波動を放つために必要な生命力を俺から吸い取っていく。
「うっ、くうう...!エネルギーがほとんど残ってないせいか、けっこうキツイな、こりゃあ...!」
「だから言ったじゃないですか!」
「うるせぇ!」
俺が狂撃刀から放った狂撃波動↓が一時的に弱体化して満身創痍状態の桜原カエデに直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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桜原カエデが気絶して、地面にうつむけに倒れる。
「とりあえず、これでひとまず一件落着か...!」
階段から、新田みくと共に依頼人の川口ヨシキが降りてくる。
「石間さん...!」
「おう、なんとか無事だったみたいだな、とりあえず、主犯格を止めるのには成功したぞ...!」
川口ヨシキが地面にうつ向けに倒れている桜原カエデを見下ろしている。
「この人、警察官の制服を着てませんね、いったい誰ですか?」
「この世界で起きている全ての断罪王現象の黒幕さ...」
「この人のせいで、僕は断罪者になってしまって人をたくさん殺してしまったんですね...!僕が殺されそうになったのもこのひとのせい...!」
「そうなっちまうな...!」
「それで、これから、この人、どうするんですか?」
「日本リンクマスター協会の地下に監禁する」
奈良見が俺の言葉に異を唱える。
「でも、今の状態でも一時的に弱体化させただけなんですよねぇ、それなら、監禁中に全盛期の力を取り戻してしまうのでは?」
「それは、心配ない、コイツの肉体のほとんどは狂撃波動で構成されている、だから、毎日、狂撃刀の狂撃波動で弱体化し続ければ、動きを止めるぐらいはできるのさ」
俺の携帯に日本リンクマスター協会会長から、日本各地の警察所で、各地方代表のリンクマスターの指示と、その部下たちの働きにより、桜原カエデの放った狂撃波動が仕込まれた例の書き込みを見て、断罪者および断罪者予備群と化してしまったネットユーザーの浄化が完了したとの連絡が入った。
そして、俺は奈良見、新田、川口ヨシキにそれを告げた。
3人が満面の笑みを浮かべ、喜び始める。
周りでそれを聞いていた警察官達からも一斉に歓声が沸く。
警察所に到着した救急車から出てきた救急隊員達が担架に気絶した元断罪者たちを乗せて、救急車に向かっていく。
その中で唯一、気絶状態の桜原カエデだけは、全身に拘束着を着させられて、日本リンクマスター協会の職員が運転する黒いワゴンに乗せられていた。
自身の弟の仇である桜原カエデに一泡吹かせたことがよっぽどうれしいのか、新田みくは勤務中にも関わらず、俺や周りの警察官たちに宴会の開催を提案し始める。
「すまんな、新田、俺にはまだ仕事が残ってるんでな」
俺は警察所を出ていく、奈良見はなぜか、新田と共にバカ騒ぎをしている。
後ろから依頼人の川口ヨシキが走ってくる。
俺は歩くのをやめて、後ろを振り返る。
「なんだ、ヨシキお前も宴会に出なくていいのか?」
「僕は、ああいうのはちょっと苦手で...それより、今回は色々、ありがとうございました...!」
「よせよ、俺は自分の仕事をしただけさ。そんなことより、世間の殺人の前科がある元断罪者への風当たりはまだ、強い。でも、お前の罪はお前のせいじゃない、悪いのは全部、お前に狂撃波動を放った桜原カエデだ。だから、お前はもう、胸を張って前に進んでいい、世間からなんと言われようと、お前は前を向いて生きていいんだ!生きてていいんだよ!」
「はい...!石間さん...!」
川口ヨシキが俺に向かって深く頭を下げる。
俺はそれを見て、再び、前へ歩き出す。
「そういえば、俺、断罪陣を使った影響で、明日の今ごろまで、狂激波動が使えないんだよなぁ...」
ということは、あの新人リンクマスター奈良見に明日の依頼を任せないといけないのか?
「まずったなぁ...こりゃあ...!」
一難去ってまた一難とは、まさにこのことだ。
次回予告 南原ユキエ その1
後書き
次回もお楽しみに
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