LA LIBERTE
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第一章
LA LIBERTE
自由が欲しい、誰もが一度は思ったことだろう。
今の私もだった、今私が勤務している部署は大仕事が幾つも入っていて誰もが朝から晩まで働き詰めだ。
普段はホワイトと言われる会社でもこうなると勝手が違う、課長も疲れきった顔で私達に言ってきた。
「この山場が過ぎたら社長も皆に特別ボーナスと交代で有給出すそうだから」
「だからですね」
私は課長に応えた。
「今はですね」
「頑張ってね、大変な時は絶対に終るしね」
こう言って課長自身一生懸命仕事をする、それは私もで。
朝早く出社して終電まで残業して休日出勤もした、そうして一週間程過ぎた時に同じ部署の同期の娘に言った。
「早く終わって楽になりたいわ」
「そうよね」
同期の娘も同意だった。
「まだ終わりそうにないけれどね、この状況」
「ええ、けれどね」
「早く全部終わらせて」
「休みたいわね」
「全くよ」
「今仕事仕事で」
頭の中はいつもそればかりでだ。
「自由もないし」
「休日返上だしね」
「だからね」
それでというのだ。
「終わったらまずはゆっくり寝て」
「そうしてなのね」
「有給貰ったら何処か旅行に行って」
私は同期の娘に昼食を食べつつ話した、昼食は会社の近所のコンビニで買ったお弁当で食べればまた仕事だ。
「自由をね」
「満喫したいのね」
「そうしたいわ、社畜とかは言わないけれど」
うちの会社は基本ホワイトだしそれを最初に言った人がいつも誰かを罵る様な人だから嫌いだからだ。
「それでもね」
「今は自由が欲しいのね」
「休日返上で朝から真夜中まで働き積めだから」
「そうよね」
「だから終わったら」
この状況がだ。
「もうね」
「自由を満喫したいのね」
「そうしたいわ」
私は心から言った、そうしてコンビニの唐揚げ弁当をペットボトルのお茶で流し込むとすぐに仕事に戻った。
そうした日々がさらに続いたが部署全員で頑張ったので仕事は確実に進み一つずつ確実に終わっていった、そして遂にだった。
最後の仕事が終わった、それでだった。
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