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第六十二話 青く奇麗な海を観てその一

                第六十二話  青く奇麗な海を観て
 一華達は呉で電車を降りてだった。
 そこの港から船に乗って江田島に向かった、そして江田島の港に着いて船を降りたがここでだった。
 一華は後ろに見える船を観て言った。
「奇麗よね」
「そうよね」
「江田島の海ってね」
「やっぱりいいわよね」
「神戸も同じ瀬戸内でね」
 一華は同じバスケ部員達に自分達の学校がある場所のことも話した。
「やっぱり奇麗だけれど」
「ここはまた違うわね」
「同じ瀬戸内でもね」
「色がもうね」
「奇麗なマリンブルーでね」
「一段上位に感じるわよね」
 その綺麗さがというのだ。
「どうも」
「そうよね」
「こんな奇麗な海で泳ぐことも出来るのよね」
「部活の合間に」
「そうよね」
「そうだけれど気をつけてね」
 二年の先輩が一華達に顔を向けて言ってきた。
「ここの海は」
「危ないんですか」
「神戸の海より」
「そうなんですか」
「海水浴場で泳ぐけれど」
 それでもとだ、先輩は一華達に話した。
「この辺り海流が強いうえに複雑なのよ」
「そうなんですね」
「流れがそうなんですね」
「海のそれが」
「それと海水浴場の外はね」 
 先輩はさらに話した。
「鮫出るから」
「ああ、鮫ですね」
「海ですからね」
「出ますね」
「だから海水浴場の外ではね」 
 絶対にという口調での言葉だった。
「海に入らないことよ」
「そうですよね」
「鮫怖いですからね」
「何といっても」
「だからここから外に出るのは難しいのよ」
 先輩は海を観つつ話した。
「船以外にね」
「そう言うと島流しですね」
「周り海でそこに鮫までいて」
「簡単に出られないなら」
「だから海上自衛隊の幹部砲補生学校もね」
 研修で行く予定のそちらもというのだ。
「海軍兵学校の時は赤煉瓦の監獄とも呼ばれてたのよ」
「ああ、地獄みたいに厳しくて」
「それで簡単に出られないからですね」
「だからですね」
「そうなの、もうね」
 それこそと言うのだった。
「海を泳いで逃げようとしても」
「その海に鮫がいますから」
「逃げても食べられますね」
「そうなりますね」
「そうなるからね」 
 だからだというのだ。
「そう呼ばれていたのよ」
「そう聞くと凄いですね」
「この海も怖くなります」
「奇麗でも」
「まあ私達は合宿だから」
 先輩は一華達にそれで来ているからだとも話した。 
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