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ハッピークローバー

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第六十一話 合宿がはじまってその九

「実践していく」
「そうしていく為に教えてもらったし」
「まして自分のそれまで振り返ったら」
 その者の立場になって考えてみて話した。
「仕事しないつまりニートで」
「奥さんに食べさせてもらっていて」
「それで偉そうに言ってばかりで」
「奥さんに逃げられて」
「そんな風だったのよ」
「まさに屑よね」
「その屑からよ」
 人間としてそのレベルからというのだ。
「やりなおして」
「真っ当に生きようと思ったら」
「もうよ」
 それこそというのだ。
「その教えをよ」
「聞かないとね」
「それで心を入れ替えないとね」
「駄目よね」
「けれどそんなことしないで」
 教えをしっかりと聞いて心を入れ替えることをというのだ。
「そんなどうでもいいこと言って」
「得意になってたんでしょうね」
「それで全く変わらないなら」
「救われないわね」
「絶対にね」
「しかも人様の家でね」
 留奈は呆れた顔で述べた。
「大飯食らうだけとか」
「人にお料理作らせていたそうだし」
「家事もしなくて」
「それで偉そうに言って」
 他人の家でもというのだ。
「お風呂入ってね」
「お布施もしないで」
「一泊してね」
「本を漁って」
 人の部屋に勝手に入ってというのだ。
「それで朝ご飯食べてよ」
「寝る生活ね」
「こんなのでよ」
 それこそとだ、留奈は言い切った。
「救われる筈ないわね」
「そうよね」
「いや、かな恵の言う通りね」
「どんな宗教や哲学でも救われない人いるわね」
「そうね、街のドキュンだってね」
 巷にいるそうした連中でもというのだ。
「そこまでのレベルの奴ってね」
「いるわよね」
「人間の屑にまでなっていて」
「何をしても駄目な」
「そうした奴もよね」
「やっぱりね」
 一華はまさにと応えた。
「救われなくて」
「破滅するわね」
「最期はね」
「だってね」
 留奈はさらに言った。
「既に最底辺でね」
「何しても救われないなら」
「もう末路はよ」
「破滅しかないのね」
「零点の人間がね」
 即ち全く駄目な者がというのだ。
「零点から上がるか、零に何しても零でしょ」
「ああ、数学ね」
 一華は留奈が何に例えて話しているのか察して頷いた。 
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