ハッピークローバー
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第六十一話 合宿がはじまってその二
「電車旅よね」
「そうよね」
「まあ寝てる人もいるけれどね」
隣の席で一人そうしていた、アフリカ系の短い黒髪の長身の女子高生で気持ちよさそうに寝ている。
「それはそれでね」
「楽しそうね」
「寝るのもね」
これもというのだ。
「いいしね」
「電車の中で寝るのって気持ちいいのよね」
かな恵は理虹からスナック菓子を受け取りつつ言った。
「これがね」
「そうそう、結構寝られるわよね」
一華もそれはと応えた、もうババ抜きをはじめている。
「電車の中って」
「気持ちよくね」
「だからね」
それでというのだ。
「あの娘もね」
「よく寝てもね」
「それはそれでね」
「いいのよね」
「よく寝てよく遊ぶ」
富美子は自分のカードを確認しつつ話した。
「そしてよく学ぶ」
「うちの学校よく言うわよね」
「何でも全力でやれ、でね」
そうしたことを教えていてというのだ。
「それでね」
「遊ぶこともで」
「寝ることも」
こちらもというのだ。
「全力でね」
「寝ろっていうしね」
「実際人間寝ないとよ」
留奈はスナック菓子を食べつつ話した。
「死ぬしね」
「それだけでね」
「個人差はあっても」
睡眠時間にだ。
「それでもね」
「寝ないとね」
「しっかりとね」
「それだけでよくないのよね」
「昔の漫画家さんなんてね」
留奈はさらに言った。
「毎日まともに寝ないで」
「それで漫画描いて」
「それでよ」
その為にというのだ。
「若くしてよ」
「そうした人多かったのよね」
「これがね」
こう一華に話した。
「残念なことに」
「そりゃあれよ」
理虹は眉を顰めさせて話した。
「よくいるでしょ、私寝てないのよってね」
「自慢する人ね」
「忙しいとか努力してるとか」
「そう言ってね」
「寝てない自慢する人」
「いるわよね」
「結局昔の漫画家さん達はね」
昭和の頃に多くいた人達はというのだ、トキワ荘にいた人達は二日や三日連続の徹夜が普通だったという。
「自慢してなくてもね」
「そうした生活で」
「早死にしたからね」
「そういうの見たらわかるわね」
「寝ることもよ」
理虹ははっきりと言い切った。
「大事よ」
「その通りね」
一華もその通りと頷いた、そしてだった。
かな恵から受け取ったカードが自分が持っていたカードと番号が合っていたので出してその分ほっとしてから述べた。
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