ハッピークローバー
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第六十話 合宿を前にしてその九
「そうして総括とかでね」
「人も殺してたのね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「女の人でもね」
「そうはなりたくないわ」
「そう思うでしょ」
「それでそうした人達って自衛隊嫌いよね」
「憲法がどうとか言ってね」
それでというのだ。
「今もね、警察もよ」
「どうせ自分の革命に邪魔だからでしょ」
「多分ね」
「いや、無茶苦茶ね」
「まああんたはそうした考えはないから」
「大丈夫ね」
「今もままだとね、だからこれからもね」
娘に言って聞かせる様にして話した。
「注意してね」
「そうした考えにはならないことね」
「絶対にね」
こう言うのだった。
「いいわね」
「気をつけるわ」
一華も確かな声で答えた。
そしてだ、こうも言ったのだった。
「自衛隊の何処が悪いのか」
「わからないのね」
「ええ、災害があったらね」
その時はというのだ。
「国民を助けてくれる」
「いい人達よね」
「警察だってね」
彼等もというのだ。
「悪い人を捕まえてくれるから」
「取り締まってね」
「いい人達じゃない」
「そのいい人達をね」
「いい人達ってわかることね」
「それが大事よ」
こう娘に話した。
「本当に、ただね」
「ただ?」
「江田島には前も言ったわね」
「家族でね」
一華は即座に答えた。
「そうだったわね」
「いいところでしょ」
「周りの海も奇麗だしね」
「それで海上自衛隊の学校にもでしょ」
「行ったわね」
「ええ、奇麗な場所で」
一華はさらに話した。
「そしてね」
「博物館もあったわね」
「軍隊のね」
「あれもよかったでしょ」
「ええ」
実際にとだ、一華は答えた。
「凄くいい勉強になったわ」
「そうでしょ」
「海軍のことね」
帝国海軍のというのだ。
「それに戦前の日本のこともね」
「わかったでしょ」
「よくね」
こう母に答えた。
「特攻隊のことだってね」
「悲しいでしょ」
「泣いたわ」
特攻隊の資料を見てとだ、一華は泣いた。江田島の博物館には特攻隊関連のものも多く展示されているのだ。
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