二度目の家族に迎えられて

　　　　　　　　　　　　　　　　二度目の家族に迎えられて
　アメリカバージニア州チェスターでだ。　
　動物保護施設で養子縁組イベントがありそれに参加した地元で店を経営しているジェリア＝ウッドくすんだ金髪を短くした。
碧の目で面長の顔の彼女は。　
　黒く胸に白く丸い点があるエリーという雌猫の話を聞いて言った。
「そうですか、最初はですか」
「はい、家族に迎えられましたが」
　スタッフがウッドに話した。
「しかしです」
「それでもですね」
「家族と一緒に寝たくとも」
「そのご家族はですね」
「猫と一緒に寝ない主義で」
「その時は部屋から閉め出して」
「それでもエリーはです」
　四歳というその猫を見て話した。
「どうしても一緒に寝たくて」
「閉じられた扉の前で、ですね」
「ずっと鳴いていて」
「それが五月蠅くて」
「こちらに戻されました」
「そうでしたか」
「実は戻される子も多くて」
　家族に迎えられてもというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「この子もそのうちの一匹で」　
　それでというのだ。
「どうか今度はです」
「家族にですね」
「どなたか迎えてくれれば」
「では私も協力させてもらいます」
　ウッドは猫ではなく他の生きものを家族に迎えそのうえでだった。
　エリーのことをＳＮＳで拡散して家族を募集した、すると。
　サミー＝スクーラー夫と共に働いている彼女眼鏡をかけブロンドの髪の毛を左右で分けた彼女がだった。　
　施設に来てだ、スタッフに話した。