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ハッピークローバー

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第五十八話 祭りが終わってその五

「もう言ってること、書いてることもね」
「そのことをなの」
「考えないと駄目だから」
「それでなのね」
「そう、もうね」 
 それこそというのだ。
「芥川のお話もね」
「ドッペルゲンガーかっていうと」
「違うかもね」
 かな恵が見てもだった。
「やっぱりね」
「そうなのね」
「実際自殺していて」
 芥川はというのだ。
「しかも他の作品もおかしいなら」
「狂気を感じさせるなら」
「その描写もね」 
 歯車のそれもというのだ。
「おかしいってね」
「思うことね」
「それも自殺する直前なら」
「特におかしいから」
「そうだからね」
 そうなっていることが考えられるからだというのだ。
「ドッペルゲンガーじゃないのね」
「そうじゃない?」
「そうなのね」
「ええ、しかし芥川ってね」
 かな恵は首を傾げさせてからこうも言った。
「美形でね」
「それもかなりのね」
「尚且つ作家さんとして当たって」 
 それでというのだ。
「収入もあって」
「しかもエリートだったんでしょ」
 留奈も言ってきた。
「海軍で英語教えてたって」
「帝国海軍で」
「それも士官の人達に」
「それ凄いわね」
 一華も話を聞いて驚いた。
「そこまであったの」
「学歴言うのはちょっと、だけれど東大だったのよ」
 芥川のこちらの話も為された。
「それも成績優秀で」
「それでなの」
「無試験で入ったそうよ」
 第一高校今の東大教養学部にそれで入学したのだ。
「あんまりにも成績がよかったから」
「東大に無試験で」
「それで入って」
 それでというのだ。
「東大もかなり優秀な成績でね」
「卒業したの」
「もう兎に角頭がいいことで」
 これは学業だけでなく語学力や教養のことも入っていた。
「英語だってすらすらってね」
「教えていた位で」
「凄くて」
 それでというのだ。
「漢文もね」
「読めたの」
「そっちもかなりね」
「滅茶苦茶頭よかったのね」
「学者さんになれる位に」
 そこまでというのだ。
「凄かったみたいよ」
「天は二物を与えたのね」
「お顔と頭をね」
 その両方をというんのだ。
「そうだったのよ」
「そう聞くと羨ましいわね」
「それで自殺したって」  
 理虹もどうかという顔で述べた。 
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