ずっと美魔女

　　　　　　　　　　　　　　　　ずっと美魔女
　ある日だ、地元の高校に通っている渕上友樹は家に帰ってはあの志桜里にこんなことを言った。背は一七六程で痩せていて目と唇は丸い。眉は短く太く黒髪を短くしている。
「ショッピングモールの二階の喫茶店行ったんだけれど」
「ああ、あそこ昔駅前にあったのよ」
　母は息子の言葉にこう返した、茶色の髪をボブにしていて縁のない眼鏡をかけている。大きな優しい感じの垂れ目で目尻に皺がある。背は一五八程で均整の取れたスタイルをしている。声も優しい感じだ。
「それがね」
「駅前って」
「今はああよね」
「シャッターばかりだよ」
「けれど昔は賑わっていてね」
　それでというのだ。
「あの喫茶店もね」
「駅前にあったんだ」
「これ駅前の他のお店もだけれどね」
「あのショッピングモールに入ったんだ」
「そうなのよ」
「そうだったんだ」
「ええ、それであの喫茶店がどうしたの？」
「いや、凄い奇麗なウェイトレスさんいたんだよ」
　友樹は母に真顔で話した。
「大学生位かな、びっくりする位の」
「友樹もそんな人出来たのね」　
　母は息子の話を聞いてまずは笑った。
「気になる人出来たのね」
「いや、僕もう彼女いるから」
　息子は母に笑って返した。
「同じバスケ部のね」
「あら、もういるの」
「言ってなかったけれどね」　
　それでもというのだ。
「実はいるよ」
「そうなのね」
「だから告白とかはしないけれど」
「あんた浮気とか嫌いだしね」
「子供の頃からね」
　こうした話をよく聞いて嫌いになったのだ、とりわけ修羅場の話を聞いてこうなる位ならと思ってだ。
「そうだよ」
「そうよね」
「それでなんだけれど」
　友樹はさらに言った。
「大学生位かな、ふわふわとした薄茶色の髪の毛が肩にかかっていて」
「薄茶色？」
「それで優しい感じの目で黒目がちできらきらしてて」
　友樹はその女性の話をさらにしていった。
「色白で背はお母さん位、笑顔が素敵でさ」
「あの、その人って」
　母は息子の話をここまで聞いて眉を曇らせて話した。