神々の塔
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第一話 衝撃の後でその一
神々の塔
第一話 衝撃の後で
芥川宗介はこの時苦い顔でいた、その顔で仲間達に言った。
「何で負けたかはな」
「言うまでもないな」
向かい側の席、敷きもののそこに胡坐をかいている中里雄一が応えた。
「それは」
「そや、我が軍は数や装備で圧倒しとった」
芥川は中里にこう返した。
「文句なしにな」
「星のモンの数でもな」
中里はこの要素の話を出した。
「そやったな」
「ああ、この世界を救うな」
「地と人の星全員でや」
「天の星も何十人とおってや」
「天の星の数だけでもや」
「的に優位に立ってた」
「そやった、しかもや」
中里はさらに言った。
「僕等神星はや」
「相手は三人でな」
「こっちは十人、もうや」
それこそというのだ。
「勝ったとな」
「ほんま思ったわ」
「油断はしてなかった」
芥川はその敗因は打ち消した。
「まさに万全に万全を期してや」
「策を整えてな」
「布陣も敷いてな」
「そして戦ったな」
「どれだけ優勢でも油断したら負ける」
まさにその時点でというのだ。
「そうなる」
「それが戦やからな」
「五千万の将兵も誰一人としてや」
それこそというのだ。
「油断してへんかった」
「何しろや」
シェリル=パターソンが言ってきた、御所の綾乃が座す主の間において。
「相手が相手や」
「そや、神星が三人でな」
「他の星のモンは全員天の星や」
「そやったからな」
だからだというのだ。
「誰一人としてや」
「油断せんでな」
「全力で戦って」
そうしてというのだ。
「倒すつもりやった」
「そやった、獅子は鼠も全力で倒すというが」
「そうした考えでな」
「全力で潰すつもりやった」
「それで行った戦やった」
「しかしや」
それがとだ、芥川は無念の顔で述べた。
「その僕等がや」
「負けたな」
「引き分けということになってるが」
戦の結果はだ。
「戦略目的を達せへんかった」
「その通りや」
リー=シュンスイが応えた。
「敵軍を破ってサマルカンドを攻略する」
「敵の都のな」
「それが出来んかった」
「しかもや」
芥川はリーにも話した。
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