イベリス
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第八十二話 合宿を前にしてその五
「そうでもないとね」
「考えられないですか」
「ええ」
「けれど若し間違って採用されて」
咲はそうなった場合も話した。
「そんなこともありますよね」
「それで普通に暴力振るったらわかるでしょ」
「クビですね」
「懲戒免職よ」
それが待っているというのだ。
「確実にね」
「それで終わりですか」
「幾らコネでも暴力振るったら」
「傷害罪とか暴行罪ですね」
「それになるから」
だからだというのだ。
「懲戒免職、刑事告訴でね」
「逮捕されてですね」
「終わりよ、被害者は出るけれど」
それでもというのだ。
「普通の社会、職場ならね」
「そうなりますか」
「やがてね」
「そうなるのがヲチですね」
「そこでずっとやりたい放題出来るのは」
そうした世界はというのだ。
「やっぱりね」
「学校の先生の世界だけですね」
「ええ、悪事をチェックする人もいなければ」
この場合は見ているだけでなく処罰や通報を行う人という意味だ。そこまでしてチェックだというのだ。
「それどころか隠す人までいるから」
「そんな人が残って」
「そしてよ」
そのうえでというのだ。
「碌でもないことになるのよ」
「そういうことですね」
「ええ、しかし本当に中学で合宿ね」
副部長は首を傾げさせて述べた。
「ちょっとね」
「副部長さんは聞かないですか」
「公立ではね。あるのかしらね」
こう咲に言うのだった。
「本当に」
「みたいですね」
「そんなトンデモ教師が顧問でなくても」
「そこまでは私もわからないですが」
「あるにはあるのね」
「どうやら」
「高校なら何処でもあるけれど」
公立でも私立でもというのだ。
「公立中学でね」
「はい、本当に」
「どうなのかしらね、まあ兎に角私達はね」
「もうすぐですね」
「合宿するから」
「この学校で」
「ええ、他の文科系の部活も一緒だから」
共に合宿を行うというのだ。
「活動は別だけれど寝る場所とかはね」
「同じですね」
「男女別々で寝るから」
「そこは当然ですね」
「ええ、そしてそこでね」
副部長はさらに話した。
「同人誌完成させて」
「そうしてですね」
「サイトもね」
「更新しますね」
「同人誌はあと少しだし」
それで完成するというのだ。
「サイトもね」
「こつこつやってきましたしね」
「毎日ね」
それこそというのだ。
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