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X ーthe another storyー

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第三話 巫女その十三

「ご心配なく」
「そうしていいのですね」
「はい、その様に」
「それでは」
「この世界をお願いします」
 丁は嵐にあらためて言った。
「くれぐれも」
「救います」
 嵐も答えた。
「その様にします」
「それでは」
「また参上します」
 丁に深々と頭を下げてだった。
 嵐は彼女の前を後にした、そうして彼女の場を出て建物を後にしようとするが扉を出るとそこはだった。
 赤絨毯の世界だった、それで議員バッジを付けたスーツ姿の者達が彼女を見て目を瞬かせて話をした。
「高校生!?」
「女の子だな」
「議事堂の見学かな」
「いや、もう夜だしな」
「そんな時間じゃないだろ」
「じゃあどうして議事堂なんかにいるんだ」
「迷ったのか?」
 こうした話をしてだった。
 すぐに警備員が呼ばれたが警備員もこう答えるばかりだった。
「不審者の発見も報告もです」
「ないのかい?」
「はい、全く」
「じゃああの娘は」
「ああ、何でもないよ」
 ここで与党の大物議員が言ってきた。
「君達もやがてわかるよ」
「やがて、ですか」
「そうなのですか」
「うん、あの娘はあの方の下にいる娘だよ」
 若い議員と警備員に話した。
「間違いなくね、どんな仕事かは知らないけれど」
「あの方といいますと」
 若い議員は怪訝な顔で言った。
「まさか」
「ああ、君も聞いたんだ」
「噂ですが」
「噂じゃないよ、現実にだよ」
「この国会議事堂にですね」
「そうした方がおられてね」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだよ」
「働いておられますか」
「日本そして世界の為にね」
「そうなんですね」
「他言は無用だが」
 そうした件であるがというのだ。
「知っているならそれでいいよ」
「わかりました」
「君もだよ」
 大物議員は若い警備員にも話した。
「守秘義務ということでね」
「仕事のうえのですね」
「そこはね」
「はい、承知しています」
 大物議員に確かな声で答えた。
「働いているからには」
「特にこうした場所ではね」
「守秘義務となれば」
「他言は無用だよ」
「そうします」
「この国のだよ」 
 まさにというのだ。
「根幹に関わる話だからね」
「やがて知って」
「詳しいことをね、しかしね」
「話す必要はない」
「穏やかに言えばね」
 大物議員は笑って述べた。 
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