ハッピークローバー
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第五十三話 夏祭りその十二
「やっていきましょう」
「合宿の夜は」
「どうせ飲むでしょ」
「お酒は飲むものでしょ」
一華は確かな声で答えた。
「他に選択肢はないでしょ」
「飲めない人でないとね」
「私も好きだしね、お酒」
一華は笑って話した。
「そして飲むとね」
「どうしても乱れるから」
「服だってね、じゃあね」
「それならよね」
「そう、ガードを固めたうえで」
「飲むのね」
「そうしていきましょう」
「日本酒もいいわよね」
五人の中で一番酒が好きなかな恵は笑顔で話した。
「私最近あっちもいけるの」
「あんたストロング系だけじゃないのね」
「ビールやワインだって飲んでるじゃない」
「これまでにしても?」
「そう、それでね」
「今は日本酒もなの」
「いける様になったの、だからね」
それでというのだ。
「広島のお酒もよ」
「楽しみなのね」
「野球は阪神でもね」
広島がまさに広島東洋カープの本拠地であることから話した、当然広島県全体がこのチームの牙城である。
「それでもよ」
「八条リーグじゃカープじゃないけれどね」
一華は八条グループが運営しているもう一つのプロ野球リーグの話もした。
「あっちは」
「そうよね、けれど日本プロ野球機構だとね」
「カープだから言うのね」
「まあ嫌いじゃないけれどね」
そのカープもというのだ。
「巨人じゃないから」
「不思議と巨人以外は許せるのよね」
逆に言えば巨人だけは許せないということだ。
「本当にね」
「そうよね、まあそれでね」
「広島のお酒もなのね」
「楽しみよ。夏祭りでも出るし」
「そっちはビールね」
「ビールどんどん飲もうね」
かな恵は一華だけでなくそこにいる全員に話した。
「その時は」
「ビールね、出店の焼きそばやたこ焼きやフランクフルトに合うわね」
「焼き鳥にもね」
「そうした意味でいいけれど」
「どうしたの?」
「いや、ビールって甘いものに合わないから」
だからだとだ、一華はかな恵に考える顔で話した。
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