ハッピークローバー
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第五十二話 体力があるのでその六
「高校が終わるまでね」
「続くのね」
「女の子より長くて」
成長期の期間がというのだ。
「それで大きくなるから」
「だから成海さんもなの」
「そうかしらね」
「じゃあそうじゃない?成長は嘘吐かないでしょ」
「はっきり出るからね」
「目に見えてね」
それでというのだ。
「出るから」
「それでなのね」
「そう、だからね」
実加はさらに言った。
「お姉ちゃんが大きくなったって思ったら」
「実際にだったら」
「それで測ってみて本当にだったら」
それならというのだ。
「間違いないでしょ」
「成海っちも大きくなってるのね」
「そうよ」
「そうなの。じゃあ何時かかな恵よりも大きくなるかしら」
「今大体同じよね」
「かな恵の方が少し大きい?」
彼女の背を思い出しつつ話した。
「今は」
「けれどそれがなのね」
「変わるかもね」
「成海さんの方が大きくなるのね」
「そうかもね、しかしね」
「しかし?」
「成海っちってずっとあまり大きくなかったから」
それでと言うのだった。
「大きい成海っちってね」
「想像出来ないの」
「どうもね」
「それは見たら変わるでしょ」
「そうしたらなのね」
「子犬のトイプードルと大人のトイプードルって違うし」
「何が違うの?」
姉は妹に問うた。
「一体」
「外見よ、子供の時って細長く見えるでしょ」
トイプードルはというのだ。
「お顔とか」
「ああ、毛がふんわりしてなくて」
「けれど成長したらね」
「ふんわりしてきてね」
「ぬいぐるみみたいになるでしょ」
「トイプードルはね」
「それが人気だしね」
ぬいぐるみの様な愛らしい姿がだ。
「そうなるわね」
「そうなったら大人の頃のイメージになるでしょ」
「子犬の頃から見てきてもね」
「お姉ちゃん達成海さんと幼馴染みでしょ」
「あんたもそうでしょ」
「けれど成海さんっていうと」
彼のことを思うと、というのだ。
「今のね」
「高校生の成海っちをなの」
「イメージするでしょ」
「ええ」
理虹はその通りだと答えた。
「そうなるわ」
「子供の頃の成海さんじゃないでしょ」
「その頃の成海っち覚えてるけれどね」
「それでも思うのは今でしょ」
「確かにね」
「だから成海さんが大きくなったら」
彼の体格がそうなればというのだ。
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