ヘタリア大帝国
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セーシェル星域にてその六
「その時フランスさん達がどうするかだね」
「難しいところよね」
「それを決めるのはフランスさん達だけれど。とにかくだよ」
「ええ、戦いね」
「はじまるよ」
こうした話をしてだった。セーシェル達も太平洋軍を待ち構えていた。東郷は長門の艦橋から彼等を見てこう秋山に言った。
「それではだ」
「はい、今からですね」
「攻める。手筈通りな」
「まずは我々が動きですね」
「そしてサフラン提督の艦隊がだ」
「はい」
そのサフランが長門のモニターに出て来る。
「潮流に乗り側面からですね」
「攻めてくれ。我々が攻撃を加えているその時にな」
「わかりました」
「この戦いに勝てばマダガスカルもすぐだ」
すぐに攻められるというのだ。
「一気に行こう」
「それでは」
サフランは東郷の言葉に頷く。そうしてだった。
日本軍は前に出る。まずは東郷率いる主力が正面から攻める。
「全軍一斉射撃!」
「全軍一斉射撃!」
命令が復唱されそのうえで艦載機からビーム攻撃に移る。その艦載機での攻撃でオフランス軍は既にだった。
かなりのダメージを受けている。それを見てオフランス軍の将兵達は動揺した。
「な、艦載機だと!?」
「小魚もいるぞ!」
まだ魚は前線で使われている。しかも主力だ。
「しかも何だこの数は」
「多い、多いぞ!」
「日本軍にはここまでの艦載機があったのか!」
オフランス軍には空母はない。精々旧式の戦艦だけだ。
従って航空戦力への備えはない、それでだった。
「まずい、損害が多い!」
「ビーム攻撃の前にこのダメージか!」
「聞いていないぞ!」
「おい、いきなりまずいな」
後方にいるフランスは前線の混乱を見て呟いた。
「艦載機の攻撃予想してなかったんだな」
「その様ですね」
フランス妹がモニターに出て来て応える。
「それも全く」
「だよな。日本が艦載機をよく使うこともな」
「司令は御存知なかったのですね」
「本当に敵を侮り過ぎだろ」
フランスは苦々しい顔で妹に述べる。
「これはな」
「そうですね」
「ったくよ。どうしたものだよ」
ぼやいたまま言うフランスだった。
「いきなりまずいぜ」
「次はビーム攻撃ですが」
「それもな」
オフランス軍が考えていた最初の応酬もどうかというのだ。
「まずいな」
「そうなりますか」
「ああ、かなりまずい」
そうだというのだ。
「こっちの戦艦はな」
「索敵能力が落ちますか」
「それもあるし動きも鈍いな」
フランスは実際に動いている自軍の戦艦達を見ながら話す。
「火力の問題じゃねえ」
「そうですね。しかしです」
フランス妹は兄に確かな声で言った。
「数はこちらの方が上ですから」
「勝てるっていうんだな」
「はい、勝てます」
それが可能だというのだ。
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