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レーヴァティン

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第二百七十八話 神との戦いその八

「余が世界を石に変え」
「海に沈めてか」
「人がその余を突き止めてだ」
「倒してか」
「この世界を救えるか」
「それを見極めるか」
「試練だった、世界の危機が迫っているとわかったが」
 それでもというのだ。
「その危機はどの神霊にも退けることも防ぐことも出来ない」
「どの神霊にもか」
「人なら出来る、それがな」
「わかったからか」
「我等神霊は集い話してだ」 
 そうしてというのだ。
「その試練を与える役をどの神霊が行うかをだ」
「話したんだな」
「あらゆる教えの神霊達がな」
「集まってか」
「話した、そしてニョルズ紙が儀を行い」
 北欧のこの神がというのだ。
「どの神霊が最も相応しいか」
「それでそれに決まったのがか」
「余だ」
 クトゥルフは自ら答えた。
「そうなったのだ」
「そうなんだな」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「我は世界の殆どを石に変えた」
「二つの浮島以外はか」
「そうした、そしてだ」
「海の中に沈めたんだな」
「その様にした」
「そういうことだったか」
「そしてだ」
 神は話を続けた。
「世界の危機を救う者としてだ」
「俺達がか」
「呼ばれたのだ」
「そうなんだな」
「そしてそなた達はな」
「今あんたを倒してか」
「試練に打ち勝ち」
 そうしてというのだ。
「この世界を救った」
「あんたが起こした試練によるそれはだな」
「これで決まった」
 クトゥルフはあらためて言った。
「この世界に迫る危機はだ」
「俺達がか」
「いや、そなた達の役目は余を倒すことだった」
「それでか」
「そなた達はそれを果たしたからな」  
 だからだというのだ。
「そちらの試練は別の者達を呼び」
「果たさせてもらうんだな」
「そなた達はこの世界での寿命に達する限り眠るとこの世界に来るが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもか」
「二つの浮島を治めるだけでな」
 それでというのだ。
「別の者達が世界を救うことをだ」
「見ていろっていうんだな」
「そうだ、助けたいならそうしたらいい」
 そう思うならというのだ。
「そなた達がそうしたらな」
「その時はそうする」
 こうだ、英雄は答えた。
「必要だと思えばな」
「そうするか」
「そうだ、だが」
「それでもか」
「あくまで必要な時だ」
 その時のみというのだ。 
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