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ヘタリア大帝国

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TURN50 セーシェル星域にてその一

            TURN50  セーシェル星域にて
 アラビアまで進出した太平洋軍は今度はオフランス領に攻め込むことになった。東郷は作戦会議室において居並ぶ提督達に言った。
「セーシェル、そしてマダガスカルだが」
「はい、私が考えますに」
 すぐに秋山が応えてきた。
「オフランス戦は短期決戦ではなりません」
「二ヶ月だな」
 東郷はその時間を自分から指定した。
「二ヶ月で終わらせるか」
「そうです。二ヶ月で終らせ」
 そしてだというのだ。
「その後すぐに主力を太平洋方面に戻しましょう」
「急がないといけないな」
 東郷はいつも通り余裕のある顔で述べた。
「そうしないとな」
「いえ、実は面白い航路を見つけました」
「面白い?」
「はい、そのマダガスカルから四国への航路が発見されました」
 秋山はここで東郷に話した。
「つまりマダガスカル四国まで一月で行けます」
「そんな航路があったのか」
「そしてです」
 秋山の話はさらに続く。
「ハワイにもそこからです」
「攻められるな」
「賊座に。オフランス戦から即座にハワイに軍を向けられます」
「有り難いな。正直ここからハワイまでの時間はかなりのロスになる」
 それを東郷も言う。
「面白い、これならな」
「即座にハワイを攻められます」
「よし、じゃあそうしよう」
 東郷は秋山の言葉に乗った。こうしてマダガスカルの後も決まった。しかし秋山の話はこれで終わりではなかった。
「発見された航路はまだありまして」
「他にもあるのか」
「そのハワイからです」 
 マダガスカルの次に攻めるべきその星域とも関係があった。
「カナダに通じる航路も発見されました」
「カナダもか」
「考えますにカナダ、ケベックを占領しアラスカも攻略してです」
「それからガメリカ本土だな」
「はい、そこを攻めましょう」 
 これが秋山のガメリカ戦の作戦だった。
「これでどうでしょうか」
「ガメリカ本土はハワイが陥落しても守りが堅い」 
 このことは既に伝わっていた。ガメリカ本土の守りはかなりのものだ。
 しかしその守りを一旦避けカナダから攻めるというのだ。
「そこに正面から攻めても損害を出すだけだな」
「それよりもですね」
「横から攻めよう。カナダ航路からな」
「では」
 このことも決まった。そしてまずはだった。
 オフランス戦だ。その戦いについてはインドが言った。国家も提督として話す。
「セーシェルは独特の潮流があるたい」
「宇宙潮流ですね」
「そう、それたい」 
 秋山に穏やかな笑みで話す。
「それを使うと面白いたい」
「具体的にどんな潮流ですか?」
 秋山は鋭い目になりインドに尋ねた。
「セーシェルでの潮流は」
「北から東、そして西たい」
 そうした流れだというのだ。
「そう流れるたい」
「そうですか」
 ここで言う秋山だった。
「では敵艦隊の布陣によっては」
「側面を衝けるたい」
「ですね。それでは敵の布陣も見ましょう」
 秋山はここで会議を行なっている円卓の中央に三次元映像を出した。そこに先程偵察からわかったオフランス軍の布陣が出た。それはというと。
「どんぴしゃだよね」
「そうよね、どんぴしゃよね」
 ララーがキャシーに応えて言う。
「潮流が西に曲がるその先にね」
「そのまま布陣してるな」
「丁度敵陣のすぐ横で潮流は今度は南に曲がるたい」
 インドはこのことも言った。 
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