夢幻水滸伝
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第二百七十話 晴れた時にはその四
「私はご主人様の神具です」
「そやからか、もっとも神具でもな」
「それでもですか」
「自分は友達や」
羅は麒麟に気さくな笑顔で話した。
「自分のな」
「そうですか」
「そやからな」
だからだというのだ。
「畏まることもな」
「ないですか」
「そや」
こう言うのだった。
「フレンドリーにいこうな」
「いえ、主の方にです」
「礼節は守るか」
「それは白澤殿達も同じかと」
「神具には神具の礼節があるか」
「そうです」
まさにというのだ。
「そやからです」
「そこは守ってか」
「これからもお仕えします、ですが友と認めてくれたことは」
自分をとだ、麒麟は羅に話した。
「嬉しいです」
「そうか」
「ではそのお心に応えて」
「頑張ってくれるか」
「そうさせて頂きます」
こう言ってだった。
羅はその麒麟に乗り施に向かった、そして施もだった。
白澤にだ、笑顔で声をかけた。
「よし、行こうな」
「今日もですね」
「宜しく頼むな」
「私もまた戦いますので」
「そうしてくれるな、相棒として」
「勿体ない、神具である私にその様なお言葉は」
こう自らの主に言うのだった。
「とても」
「いや、神具とかやないわ」
「といいますと」
「心がある、それも確かな心やとな」
施は白澤に話した。
「友達、相棒同士にや」
「なれますか」
「どんな姿形でも人の心を持ってたら人や」
「そうなのですか」
「そして生きものや、逆に化けものの心を持ってたらな」
この場合についてもだ、施は話した。
「化けものや、例えばシリアルキラーはな」
「心が化けものだからですか」
「化けものや、そういうことだ」
「だから私をですか」
「相棒やと思ってる、ほなな」
「今日の戦もですね」
「頼むで」
優しい笑顔での言葉だった。
「ええな」
「それでは」
「行くで」
如意棒を両手に持ってそのうえで前に出た、そして。
施はまずは如意棒を前に突き出した、すると。
棒は瞬時に何百メートルも伸びて羅に迫った、羅はその一撃を身体を右に捻って交わした、そうして難を逃れてから施に言った。
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