夢幻水滸伝
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第二百七十話 晴れた時にはその三
「出来ず。しかも」
「今までやな」
「動けませんでした」
「そやねんな」
「はい」
そうだというのだ。
「ほんまに」
「そやったか」
「ですが退院して」
結核が治ってというのだ。
「それで海南省ひいては中国の状況を聞きまして」
それでというのだ。
「そうしてです」
「ここまで来たか」
「それで海南省は中国の南にあるので」
「こっちに来たか」
「遅くなりましたが参加してええですか?」
「自分は来るモンは拒まずや」
施は笑って答えた。
「怪しい奴やないとな」
「それでおら様はですね」
「怪しない、怪しい奴ってのはわかるわ」
そうした輩はというのだ。
「目そしてオーラでな」
「その二つで、ですね」
「そや、少なくともこっちの世界ではな」
「わかりますか」
「工作員ってのは特にオーラに出るわ」
それにというのだ。
「あからさまに隠していてな」
「それで、ですか」
「わかる、自分にはそれが全くない」
茅が発しているオーラにはというのだ、事実施は茅が出しているそのオーラを見てそのうえで彼に話していた。
「そやからな」
「それで、ですね」
「わかる、ほなこれからはや」
「おら様もですか」
「仲間としてな」
その立場でというのだ。
「一緒にやってこな」
「それでは」
「当然この戦でもや」
「今からですね」
「戦ってもらうで」
「わかりました、神具もあります」
茅はその手に長い針を出して述べた。
「これが」
「針か」
「はい、太陽針といいまして」
見れば何本もある、それを魚人の指を指の間に挟んでいる。
「敵を攻撃しかつ味方に使えば」
「そっちでも効果があるか」
「体力を回復させられます」
「針治療やな」
「そうです、両方に使えるので」
だからだとだ、茅は施に話した。
「宜しくお願いします」
「ああ、ほな頼むで」
「これより」
こうしてだった。
南軍は星の者を新たに加えてだった。
北軍との二日目の全面対決に入った、すると。
両軍は大雨の中激突した、北軍はこの日も攻めて南軍は守りだった。
そうして攻める、その中で。
羅は施と一騎打ちに入った、羅は麒麟に対して言った。
「今日も頼むで」
「はい」
麒麟は主に確かな声で応えた。
「お任せ下さい」
「自分も戦ってくれるな」
「当然です」
昨日と同じくとだ、麒麟はまた主に言葉を返した。
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