夢幻水滸伝
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第二百六十九話 大雨の中の決戦その十三
「しかしな」
「はい、飲み過ぎると身体を壊します」
紅美が真面目な顔で答えた。
「二日酔い等で」
「二日酔いで戦とかな」
「論外ですね」
「そやからな」
その為にというのだ。
「ここはな」
「お酒はですね」
「飲まんことや」
絶対にというのだ。
「そやから出してへん」
「それは勝った時ですね」
「それか戦が終わった時や」
勝たずともというのだ。
「無論負ける気はないけどな」
「それでもですね」
「そうしてくで」
「では」
「今はこれを飲むんや」
施は言いつつ茶を飲んだ、熱い薬膳茶である。
「お茶や、お茶を飲んでもな」
「美味しいです」
美蓮は実際にその薬膳茶を飲みつつ答えた。
「お茶もそ」
「そやからな」
「ここはですね」
「これを飲んでな」
茶をというのだ。
「そしてや」
「喉を潤しますね」
「間違っても生水は飲まん」
全軍にこのことも徹底させている。
「やっぱり生水はな」
「あたります」
「そうなるさかいな」
そうした危険があるからだというのだ、事実この世界でも生水にあたって身体を壊す場合が多い。水も危険であるということだ。
「そやからな」
「必ず沸騰させる」
「そしてお茶にしてや」
その湯をというのだ。
「そうしてや」
「飲むことですね」
「お茶も栄養があるし」
「お水をそのまま飲むよりええですね」
「そやからこうした時もな」
戦の中の雨で身体が冷えた時もというのだ。
「飲んでもらうで」
「そうしますね」
「そや、こうしてな」
言いつつお茶を飲む、そしてだった。
施は次の日の戦のことも仲間達と話した、戦は雨の中まだ続くのだった。
第二百六十九話 完
2022・8・8
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