ハッピークローバー
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第四十八話 暑くてもしっかりとその十五
「それでね」
「破滅ね」
「そうなった人もいるから」
だからだというのだ。
「かなり勉強とかしてよ」
「やるものね」
「そうよ」
こうしたものはというのだ。
「本当にね」
「真面目に働くのが一番?」
「そうよ」
その通りという返事だった。
「そうするこそこそね」
「一番いいのね」
「だからね」
その為にというのだ。
「あんたこれからもね」
「お金が欲しいなら」
「真っ当に働きなさい」
「そしていざという時でないとなのね」
「使わないことよ」
そうすべきだというのだ。
「無駄遣いはね」
「極力しないね」
「そうしてね」
「じゃあね、しかしね」
ここで一華はこうも言った。
「実は私新しい下着買おうかなってね」
「思ってるの」
「今ね」
「どんな下着?」
「まあシンプルというか可愛らしいね」
そうしたとだ、一華は母に答えた。
「前の上の部分に小さなリボン付いた白い」
「あんたがよく持ってる感じね」
「下着ってね」
一華は自分の下着の趣味のことも話した。
「白とかピンクとかライトブルーとか」
「清潔で可愛い感じが好きよね」
「そうだから」
それでというのだ。
「今回もね」
「そうした下着買うの」
「そう思ってるの」
「あんた大人の下着は買わないのね」
「色だと黒とか?」
「ティーバックとかね」
「ティーバックはないわ、ブラジルの娘は皆そうでも」
この国から来ている面々はというのだ。
「先輩も同級生もね」
「あっちじゃそれが普通なのね」
「中学生の時もそうだったわよ」
「それはまた極端ね」
「ブラジルじゃ普通らしいわ」
一華自身こう言った。
「女の人の下着はティーバックがね」
「普通なのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「色はそれぞれよ」
「ティーバックってだけでもかなりね」
母はこう返した。
「正直お母さんあんたがティーバックなら驚くわ」
「そうなの」
「あんたもそうした下着を着けるのかって」
「私はないわ、派手過ぎるわよ」
一華はいささか眉を顰めさせて答えた。
「そう思うから」
「穿かないのね」
「絶対にね、それはないわ」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
「ただっていうと」
「いや、ブラジルじゃ普通で」
またこう言うのだった。
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