ハッピークローバー
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第四十七話 大人の服装はその五
「そうした人達は減ってるから」
「関わっている場合も少ないですか」
「ええ、けれど自分のお店に関わっていたら」
それならというのだ。
「来ることはないから」
「安心していいですね」
「そうよ、色々な理由でそっちの世界に入ることもあるけれど」
この辺りの事情はまさに人それぞれだ、店長もそのことをわかっていてそれで今ここで言っているのだ。
「援交よりはね」
「遥かにいいですね」
「ちゃんとしたお仕事だから」
このことも言うのだ。
「いいわよ」
「そうなんですね」
「そういうことよ、まあこうしたこともね」
店長は笑って話した。
「生きていくとね」
「わかりますか」
「徐々にね」
留奈に笑って話した。
「水着のことも夜のことも風俗のこともね」
「そうなんですね」
「それで夜のプレイなんてね」
店長は先程よりも露骨に話した。
「最初は自分がそんなことするなんて想像も出来なくても」
「交際していってですか」
「経験していったらね」
「普通になるんですね」
「徐々にね、あんた達SMとかしないでしょ」
「そんなの誰がするんですか」
留奈は全力で否定した。
「一体」
「けれど実際好きな人がいるのよ」
「本当にあるんですね」
「あるのよ、これが」
現実としてというのだ。
「趣味も人それぞれだから」
「それで、ですか」
「楽しんでる人もいるわよ」
「そうですか」
「そうしてこちらもね」
そのSMもというのだ。
「二人きりになったら普通の人もね」
「おられますか」
「世の中はね」
そうだというのだ。
「これがね」
「そうですか」
「ううん、何かです」
理虹はここまで聞いて腕を組み考える顔になって言った。
「信じられないです」
「今はそうでしょ」
「本当に」
「それがね」
「変わるんですね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「徐々にでもね」
「彼氏さんと付き合っていって」
「そこで色々と知っていって」
「やがてはですか」
「私だってそうだったから」
店長自身もというのだ。
「あんた達の頃はね」
「そうしたことについては」
「何もよ」
一切というのだ。
「経験なくてね」
「知ってるだけですね」
「あんた達も知識はあるでしょ」
「それ自体は」
理虹もそれはと答えた。
「あります」
「けれど実際の経験はまだでしょ」
「とてもです」
「知識だけじゃわからないのよ」
店長は笑って話した。
「頭でだけだとね」
「実際に経験しないとですか」
「自分でね、それでわかって」
そうしてというのだ。
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