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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その八

「何でも」
「ですからこうしてです」
「敬語使ってるんやな」
「そうしています」
 実際にというのだ。
「これからも」
「わいは堅苦しいのは趣味やないが」
「それでもですか」
「自分がそうしたいんならな」
 玳透がというのだ。
「ええで」
「そうですか」
「ほなこれからな」
「お互いですね」
「やっていこな」
 まさにというのだった。
「仲良く」
「はい、ただ僕は天の龍ではないので」
「それは関係ないわ」
「そうなのですか」
「丁さん、おひいさんでええか」
「構いません」
 丁はそれはよしとした。
「呼び名は」
「それぞれでか」
「わらわはどう呼ばれてもです」
 空汰達に直接語り掛けた。
「いいのです」
「そやねんな、しかし」
「何でしょうか」
「おひいさんはほんまに夢見の人やねんな」
「おわかりですか」
「言葉が直接頭に来るさかいな」
「わらわは喋ることが出来ません」
 丁はまずはこのことから話した。
「そして目は見えず耳は聞こえず」
「そうなんやな」
「匂いを嗅げず身体の感覚もです」
 こうしたものもというのだ。
「ありません、ですがそれでもです」
「頭の中でやな」
「全て見え聞こえ嗅げ感じられ」
 そうしてというのだ。
「わかります」
「そやねんな」
「そうです」
 まさにというのだ。
「全ては」
「成程な」
「ですから問題はありません」
 全くと言うのだった。
「お気遣いなく」
「おひいさんがそう言うんならな」
「よいですか」
「ああ、それでな」
「神威をですね」
「連れて来るな」
「宜しくお願いします」
「ほなな」
 笑顔で応えてだった。
 空汰はその場を去ろうとしたがふとだった。
 玳透はその彼にふと気付いた顔になって言ってきた。
「あの、今のお住まいは」
「実はないねん」
 空汰はこの時も明るく応えた。
「ずっと高野山に住んでたけどな」
「今はですか」
「そういうこっちゃ」
「それは困りますね」
「天の龍の住まいは用意しています」
 また丁が言ってきた。
「安心して下さい」
「そうなんか」
「ある人の協力があり」
 それでというのだ。 
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