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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その四

「やはりな」
「働いてもらいますね」
「酸素タンクでの睡眠は一時間で八時間の効果があります」
「だからですね」
「そこまで働いてもらいますね」
「今は」
「全軍な、本来ならしないことだが」
 それでもというのだ。
「今は別だ、当然それはだ」
「我々も同じですね」
「全軍不眠不休の態勢に入るのですから」
「それならですね」
「我々も同じですね」
「眠らず働き」
「そしてですね」
 そのうえでとだ、幕僚達はフラームにさらに話した。
「防衛ラインを敷き」
「そして布陣して」
「オムダーマン軍を迎え撃ち」
「退けますね」
「主席閣下が戻られるまで」
「主席が戻られれば」
 フラームはまた兄である彼を公の立場での呼名で呼んだ、その言葉の一語一語に強い緊張が存在している。
「その時はな」
「反撃の時ですね」
「その時こそ」
「国境では敗れ戦線は大きく後退しています」
「それでもですね」
「我々は」
「勝てる」
 フラームは緊張をそのままに語った。
「必ずな」
「左様ですね」
「今我等は劣勢ですが」
「主席が戻られれば」
「必ず挽回出来ますね」
「今の状況も」
「それが可能だ、だから我々は今は凌ぐのだ」 
 オムダーマン軍の攻撃、それをというのだ。
「いいな」
「承知しています」
「それではですね」
「休むことなく防衛ラインを敷き」
「全軍そこに入り布陣し」
「そうして」
「オムダーマン軍を迎え撃つ、だが」
 ここでフラームは顔に暗いものも入れて幕僚達に問うた。
「あの攻撃のことはまだだな」
「はい、わかっていません」
「全く」
「何一つとしてです」
「あの攻撃が何であるのか」
「一切です」
「わかっていません」
「思わぬ方向から大量の魚雷が来てだ」
 オムダーマン軍のそれがというのだ。
「そうしてだな」
「攻撃を受け」
「そして、でしたね」
「我々は敗れました」
「全戦線において」
「一日の間に大きな打撃を受け」
「戦線を崩壊させられました」
 そうなったことをここでも話すのだった。
「完璧な防御陣を敷いていました、我々は」
「宙形も利用してです」
「攻撃惑星やコロニーレーザー、機雷も配置していました」
「まさに鉄壁の布陣でした」
「ですがその防衛ラインがです」
「あの謎の攻撃に破られました」
「一体どういった攻撃か」
「まだわかっていません」
 幕僚達はフラームに難しい顔でそれぞれ述べた。 
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