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八条学園騒動記

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第六百八十話 食べてみてその十二

「そう見せていたのよ」
「そうだったんだ」
「ゲッペルスがいなかったら」
 若し彼が当時のナチス=ドイツにいなければというのだ。
「ナチスはあそこまでなっていなかったかもね」
「そうなんだね」
「それだけね」
「宣伝は大事で」
「その中で動画はね」
「効果があるんだね」
「ナチスの映画なんてね」
 ゲッペルスが創らせたものであるのは言うまでもない。
「どれだけ内外に影響を与えたか」
「映画もそうだね」
「だから私達もよ」
「大いに宣伝するんだね」
「そうよ、それでカナダを今よりもね」
「有名な国にするんだね」
「そうしていくのよ」
 メアリーは目を輝かせて話した。
「絶対にね、ただね」
「ただ?」
「いや、ゲッペルスは極悪人でも」
 それでもだ、心から思って言うのだった。
「能力はね」
「凄かったんだね」
 トムは応えた。
「そうだったんだね」
「ええ、まさに天才よ」
「宣伝のだね」
「政治家としての能力が高くて」
 それでというのだ。
「特に宣伝に秀でていたのよね」
「凄い人だったのは事実だね」
「知能指数がヒトラーより高くて」
 ヒトラーも高かったことで知られている、記憶力もかなりのもので一度聞いたことは忘れなかったという。
「博士号も持っていたしね」
「学者さんだったんだ」
「それで自分を博士と呼ばせていたのよ」
 ドイツ語ではドクトルとなる。
「そうしていたのよ」
「能力は高かったのは事実だね」
「そのゲッペルスがカナダにいたら」
「カナダのことを宣伝して」
「メジャー国家にしていたかもね」
「そうだったんだ」
「極悪人でもいて欲しいわ」 
 カナダにとだ、メアリーは心から思った。
「女癖が悪くて職権も濫用していたそうだけれど」
「本当に悪い奴だったんだ」
 シッドはゲッペルスのその話を聞いて言った。 
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