レーヴァティン
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第二百七十六話 空への出陣その五
英雄は寝ることもした、自室に戻って充分に睡眠を摂った。そうして朝食の時に仲間達に強く言った。
「こうした時こそだ」
「寝ることでござるな」
智が応えた、今は握り飯に味噌汁である。
「そうでござるな」
「寝ないでいるとだ」
「疲れるでござる」
「だからだ、戦の前はな」
「特に今は決戦前でござるが」
「それでもだ」
今はというのだ。
「充分にな」
「寝てでござる」
「休むことだ」
「そしてでござるな」
「こうしてな」
「食べることでござるな」
「しっかりとな」
その様にというのだ。
「すべきだ」
「左様でござるな」
「そうだ、だから今はな」
「兵達にもでござるな」
「順番でな」
「眠らせているでござるな」
「しっかりとな、一日に八時間はな」
それだけはというのだ。
「個人差はあるがな」
「寝てこそでござるな」
「しっかりと動ける」
「それね、人間は寝ないとね」
奈央も言ってきた、野菜の味噌汁を飲んでいる。見ればお握りとその味噌汁以外には着けものもある。
「疲れてね」
「動けなくなるな」
「頭の動きもね」
これもというのだ。
「駄目になるわ」
「だからこそだ」
「兵達もじっくりとね」
「寝かせている」
その様にしているというのだ。
「そうしている」
「決戦を前にして」
「決戦の前だからな」
それ故にというのだ。
「尚更だ」
「そういうことね」
「そして俺達もな」
「寝ているわね」
「そうだ、ただ飯はな」
「こうしてね」
「顔を合わせてな」
その様にしてというのだ。
「食っているが」
「それの空船に乗り込んでいても」
「術であえて移動してな」
そうしてというのだ。
「それは何故かというとな」
「こうしてね」
「共に飯を食うこともだ」
「いいことだからね」
「親しい者達と食うとだ」
そうすればというのだ。
「それだけでだ」
「和むわね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「こうしてだ」
「食べているわね」
「そうしている、ではな」
「ええ、こうしてね」
「今は共にだ」
顔を見合わせてというのだ。
「飯を食うぞ」
「そうするわね」
「術を使った分の気力はな」
「寝れば回復するし」
「決戦前はな」
この時のことも話すのだった。
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