レーヴァティン
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第二百七十六話 空への出陣その四
「俺が剣にその力を全て介抱せよと念じれば」
「それで、ですね」
「力が解放されますね」
「それが島に及び」
「島を浮かび上がらせますね」
「そうなる」
神託はそう言っていたというのだ。
「だからな」
「はい、それでは」
「今よりですね」
「まずは島の上に向かい」
「そこに着きますね」
「その場に着いてこそだ」
そうなってからだとだ、英雄は話した。
「何かが出来るな」
「はい、その通りです」
「ではですね」
「まずはそこに行く」
「そうしますね」
「そうだ、それでだが」
英雄は兵達にさらに話した。
「お前達も緊張しているな」
「どうしても」
「いよいよ神との戦いと思いますと」
「その戦いで世界が救われると思いますと」
「そうだな、しかしだ」
緊張してもとだ、英雄は兵達に話した。
「まだ戦には時間がある、だから当直の者以外はだ」
「休む」
「そうすべきですか」
「今は」
「道具や術を使ってもいい」
そうもしてもというのだ。
「休め、寝ることだ」
「睡眠ですか」
「それを摂ることですか」
「今は」
「寝るのも戦いのうちだ」
英雄は兵達に告げた。
「だからな」
「わかりました、では」
「当直員を残して休みます」
「眠ります」
「そうします」
「是非な、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「英気を養え」
「わかりました」
「そうさせて頂きます」
「そして戦の時はですね」
「その時が来れば」
「戦え」
告げた言葉は一言だった。
「思う存分な」
「そう出来る様になる為にですね」
「今は寝る」
「そうするのですね」
「そうだ、寝て英気を養い」
戦う為のそれをというのだ。
「そしてだ」
「時が来れば」
「その時はですね」
「全力で戦う」
「そうすることですね」
「緊張してもだ」
例えそうした状態でもというのだ。
「寝るのも戦のうちだと言ったな」
「はい、まさに」
「その通りです」
「戦については」
「だからだ、順番に寝てだ」
その様にしてというのだ。
「戦う時は戦え」
「わかりました」
「その様にします」
「ではこれよりです」
「当直員を残してです」
「寝ておけ、俺も寝る」
こう言って実際にだった。
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