ハッピークローバー
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第四十六話 海を前にしてその十三
「そうでなくても露出の多い服を着たらね」
「使われますか」
「見た誰かにね」
「そうしたものですね」
「そしてそんなこと考えたら」
「グラビアなんて出来ないですね」
「それに海にも来られないわよ」
今自分達がいるこの場所にもというのだ。
「そもそもね」
「半ズボンタイプとか昔のあの縞々の水着でないと」
留奈は大正の頃の極めて古風な水着を想像しつつ話した。
「そうはならないですね」
「半ズボンタイプの水着も多いけれどね」
「あれ何か着ようって思わないんですよね」
留奈が言うと他の四人も頷いた、そして留奈はさらに言った。
「ワンピースかビキニでないと」
「それじゃあね」
「もうですね」
「そうよ、そうした水着は本当に下着と変わらないから」
だからだというのだ。
「使われることはもうね」
「当然として」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「海やプールで遊ぶことよ」
「それ前提でもう考えないで」
「それでね、じゃあ私も休憩時間になったら」
店長は笑って話した。
「ちょっと遊んでくるわね」
「今日の水着は何ですか?」
理虹は笑って尋ねた。
「この前は黒匹にでしたけど」
「今日はスリングよ」
「えっ、あの露出の多い」
「彼氏からのプレゼントでね」
店長は笑って話した。
「紺のね」
「その色のですか」
「凄いわよ、背中もお臍も丸見えで」
そうしたデザインの水着でというのだ。
「ビキニよりもね」
「凄いですか」
「きわどいわよ、まあ高校生だとね」
「すりんぐはまだ早いですよね」
「あれは二十歳を過ぎる位でないと」
それ程の年齢でないと、というのだ。
「色気というかエロさがね」
「出ないですか」
「そうなの」
こう理虹に話した。
「若いと溌剌さが出て」
「エロさがですか」
「あまり出ないのよ」
そうだというのだ。
「どうしてもね」
「高校生だと」
「そうよ、そうしたものはね」
「エロさは」
「色気と言ってもいいわね」
「さっき言われましたね」
「そうしたものはね」
理虹に対して話した。
「どうしてもね」
「出るものですね」
「だからね」
それでというのだ。
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