ハッピークローバー

「駄目だから」
「そこまで凄いんですね」
「だからあんた達もよ」
「使われてる可能性高いですか」
「水着ってあれでしょ」
　店長はクールに述べた。
「見せていい下着でしょ」
「極論すればですね」
「そうだからね」
　それでというのだ。
「もうね」
「そういうことに使われるのは当然ですか」
「必然と言っていい位にね」
　そこまでというのだ。
「グラビアだけじゃないのよ」
「私達もなんですね」
「言っておくけれど頭の中の想像は自由よ」
　誰をどうするか、それはというのだ。このことを止めることは他の者では誰も出来ることではないのだ。
「あんた達でも先輩でも後輩でも先生でもね」
「まさに誰でもですか」
「そそられたらね」
　まさにその時点でというのだ。
「使われるのよ」
「それを止められないんですね」
「誰にどう想像されるかなんて」
　それこそというのだ。
「わからないしわかりたい？」
「いえ」
　一華は一言で答えた。
「絶対にです」
「嫌でしょ」
「考えたくもないです」
「どんないやらしい姿を想像されてるか」
　富美子も眉を顰めさせて語った。
「考えたくもないです」
「そうでしょ」
「誰かとかいう問題でなくて」
「誰からもでしょ」
「はい、それこそ」
「だからもうそんなことは考えない」
　最初からとだ、店長は言い切った。
「考えるだけ無駄だしね」
「それで想像を止められないからですね」
「そうよ、アイドルの娘なんてそんなこと思ったら」
「お仕事出来ないですね」
「握手会で本人に使ってるって言った人いるし」
「うわっ、キモッ」
　富美子は思わずこの言葉を表情付きで出した。
「それは幾ら何でも」
「ないでしょ、私もそう思うわ」
「アイドルの娘も大変ですね」
「あるグループのセンターだった小柄な人よ」
「あっ、誰か大体わかりました」
　富美子もそれでわかった、脳内でそのアイドル今は卒業している人だがその人の顔を思い浮かべた。
「あの人ですか」
「多分思う通りの人よ」
「やっぱりそうですね」
「言われて笑ってね」
　そのアイドルはというのだ。
「仕方ないなあ、程々にでね」
「終わりですか」
「それでね」
「流石プロですね」
「けれどプロでなくともよ」
　それでもというのだ。
「女の子なら」
「女の人でもですか」
「水着になったら」
　それならというのだ。