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ハッピークローバー

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第四十六話 海を前にしてその十一

「それで、です」
「そうしたことはなのね」
「まだ経験ないですが」
「けれどすっきりすることはね」
「ま、まあそれは」
「だから恥ずかしがることないの、当然のことだから」
 そうしたことはというのだ。
「すっきりすることはね」
「いいんですね」
「そうよ、まああんた達の歳だとそうしたことへの経験はね」
「何ていいますか」
「言うまでもないわよ、男の子は中学生になったら」
 その頃にはというのだ。
「もうしてるし」
「女の子も」
「私もだしね」
 店長は笑って自分のことも話した。
「もうね」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「あんた達がしてもよ」
「いいんですね」
「そうしたらいいのよ、何度も言うわよ」
 それこそという口調での言葉だった。
「浮気なんかするより」
「二次元ですね」
「アイドルや俳優さんの写真でもいいから」
「それで想像して」
「すっきりすることよ、いいわね」
「わかりました、そうします」
「あとね、私達も海にいて普通に水着になってるけれど」
 それでもと言うのだった。
「前も言ったけれどひょっとしたらね」
「男の子達が見てですね」
「後ですっきりする為に使ってるかも知れないわよ」
「そうですか」
「特に十代の子達は」
 この年齢の男子達はというのだ。
「そうしたことが大好きなお年頃だから」
「私達の名前を知らなくても」
「何処の誰かをね」
「それでもですか」
「いいと思ったら」
 それでというのだ。
「それぞれの頭の中で想像して」
「そうして」
「そのうえでね」
 それでというのだ。
「すっきりとしてるわ」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「もうよ」
「私達もそうされてるかも知れないんですね」
「学校で水泳の授業あったでしょ」
「ありました」
 一華は即座に答えた。
「一学期の終わりの方に」
「それじゃあね」
「その時の水着姿をですか」
「クラスの男の子達に見られてました」
「だったら可能性はね」
 それはというのだ。
「あるわよ」
「そうですか」
「十代の男の子って毎日何度でも解消しないと」
 さもないと、というのだ。 
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