レーヴァティン
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第二百七十五話 邪神の島その三
「そうしたことはだ」
「俺はしないしお前もだな」
「同じだ、石橋を叩いて渡る」
「まさにそれだな」
「そうした慎重さがあってこそだ」
「やっていけるな」
「大事をな、だから今はな」
絶対にというのだ。
「博打はな」
「しないでな」
「今話した移動の術を使うことはな」
「この世界じゃな」
「何でもない」
「そうだよな」
「戦でも使う時がある」
この場合もというのだ。
「特に偵察や伝令でな」
「一回行った場所でないと駄目でも一瞬で行き来出来るならな」
「こんな便利なこともそうそうないからな」
「だからだ」
英雄は確かな声で述べた。
「本当にだ」
「移動の術は便利でな」
「この世界ではな」
どうにもというのだ。
「賭けでもない」
「使えればの前提でもな」
「安定したものだ」
「そうだな、じゃあな」
「使っていく」
久志に強い声で話した。
「クトゥルフの戦でもな」
「それじゃあな」
「使った気力は回復の道具でだ」
それを使ってというのだ。
「回復させてばいい」
「使うことは躊躇しないことだな」
「そうだ、そうした道具も多く持っている」
「それじゃあな」
「ふんだんに使う」
「移動の術も道具もな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「百万の軍勢をだ」
「クトゥルフの島に送り込むな」
「軍勢はあらかじめそれぞれの駐屯地に待機させてだ」
「俺達がそれぞれそちらに行ってな」
「術を使ってな」
移動のそれをというのだ。
「島に次々に入れてだ」
「百万の大群を集結させるか」
「そうするぞ」
「それじゃあな」
「そしてだ」
英雄はさらに言った。
「絶対に忘れてはならないのが飴だ」
「舐めると水の中でも酸素が供給されるな」
「人は水の中では呼吸出来ない」
「魚じゃないからな」
「だからだ」
そうした身体の構造だからだというのだ。
「そこが今回問題だ」
「クトゥルフと言えば水の邪神だ」
久志はその表情を鋭くさせて応えた、彼の正体がわからず海の魔神と呼んでいた時からこのことは強く意識していた。
「それじゃあその眷属もな」
「深き者共もな」
「海の中でも平気で動けてな」
「そこに引き摺り込んでだ」
そのうえでというのだ。
「溺れ死にさせたり窒息死させることもだ」
「させていくな」
「呼吸出来てこそだ」
まさにというのだ。
「戦えてな」
「生きられるものだよ」
「それがわかっているからだ」
英雄はそれ故にと述べた。
「あいつ等もだ」
「そうしてくるな」
「まず水練をな」
この鍛錬をというのだ。
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