総合点で美人
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第二章
「貴女はかなりの奇麗さです」
「モデルになれる様な」
「はい」
まさにと言うのだった。
「そうです」
「でもその顔は」
「お顔は悪くないです」
気にしているそこから話した。
「決して」
「けれど子供の頃にブスだって」
「そう言われていてもです」
それでもというのだ。
「貴女はお顔だけでないですから」
「そうですか」
「そのスタイルに」
胸にウエストそれに脚を見て話した。
「髪の毛まで、首筋も手も素晴らしいです」
「そうでしょうか」
「正直に申し上げますとお顔は普通か普通より少し上程です」
そのレベルだというのだ。
「ですがお身体全体を見ますと」
「かなり、ですか」
「そうです、今は美人だと言われませんか」
「大学生ですが皆に言ってもらってます」
静香はこのことを話して答えた。
「よく」
「まさにその通りですから」
「私は」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「貴女はモデルになれます」
「ですか、けれど私は」
その申し出は断った、何処がどう美人なのか言ってもらって嬉しかった、だが芸能界の黒い噂を気にしてだ。
そうした、それで大学生として過ごし。
就職して心ある人と結婚出来た、すると夫はいつも彼女に言った。
「こんな奇麗な奥さんと結婚出来てよかったよ」
「いつもそう言うんだから」
「実際にそうだからね」
こう言うのだった。
「何度も言うよ」
「そうなの」
「事実だからね」
「うん、お母さんとても奇麗よ」
娘の冴子も言うことだった、母親そっくりの顔の彼女も。
「スタイルも髪の毛もね」
「全体を見てなの」
「そうよ、私大人になったらお母さんみたいなスタイルと髪の毛で」
そうしてというのだ。
「お顔もね」
「そうなのね」
「お母さんみたいな顔でよかったわ」
「学校でブスって言われない?」
「悪くて普通位よ、ただ私髪の毛奇麗って言われて」
そしてというのだ。
「スタイルいいって言われるから」
「美人って言われるの」
「それはよかったわね」
「美人はお顔だけじゃないよ」
夫は笑顔で言った。
「身体全体で言うよ、それに何よりも」
「何よりも?」
「奥さんは性格がいいから」
静香のそれのことも言うのだった。
「最高なんだよ」
「性格なの」
「謙虚で真面目で穏やかで公平だからね」
そうした美点を揃えているからだというのだ。
「凄くいいよ、だから僕もね」
「私もよ」
娘も言ってきた。
「お母さんと家族でよかったわ」
「本当の意味で美人さんだからね」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
静香は夫と娘の言葉に笑顔になった、笑顔になったその顔はとても奇麗なものだった。誰が見てもそう思えるものであった。
総合点で美人 完
2022・12・24
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