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X ーthe another storyー

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第一話 開幕その十五

「その人間がいてもね」
「地球はだね」
「大して変わらないし」
 それにというのだ。
「人間を滅ぼす時に多くの生きものが死ぬから」
「そうだね」
「そして人間は悪か」
「地球を滅ぼすのなら悪だね」
「地球から見れば、いや」
「いや?」
「それも本当に地球の声か」
 このことも言うのだった。
「僕は確信は持てていないよ」
「そうなのね」
「そう、そして多くの命を巻き添えにしていいのか」
「それはよくないよね」
「何の関係もないね」
 それこそというのだ。
「そうも考えるから」
「だからだね」
「僕はそうしたことも考えてね」
「人間が滅んで欲しくない」
「そう考えているんだ」
 こう北都に話した。
「地の龍だけれどね」
「人間には滅んで欲しくないんだ」
「そう、色々考えて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「そう思ってるんだ」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「地の龍の夢見として」
 この立場でというのだ。
「これからはね」
「動いていくのね」
「そうするよ」
 こう北都に話した。
「君との話はこれからも続けていきたいけれど」
「お願いね」
 笑顔でだ、北都は牙暁に応えた。
「あたしからもね、お友達としてね」
「僕達は友達なんだ」
「嫌?」
「嬉しいね」
 牙暁は北都に顔を向けて微笑んで応えた。
「それは」
「そうなのね」
「うん、ずっと起きれなくて」
「こうしてだね」
「夢の世界で過ごしていて」
 そしてというのだ。
「友達はね」
「いなかったんだ」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「お友達になってくれるなら」
「嬉しいのね」
「うん、じゃあこれから」
「うん、お友達としてね」
「お話していこう」
 牙暁にここでもにこりとして声をかけた。
「そうしていこうね」
「是非ね」
「うん、それとね」
「それと?」
「貴方のこと何て呼べばいいかな」
 北都は牙暁にこのことを問うた。
「一体」
「何でもいいけれど」 
 牙暁は考える顔で答えた。
「名前でもね」
「牙暁ともだね」
「君の望む様にね」
「じゃあ牙ちゃんでいいかな」
「渾名だね」
「あたし親しい人はそれで呼ぶからね」
 だからだというのだ。 
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