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けりぐるみが好きな猫

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第二章

「今もお友達のね」
「家族みたいなものか」
「遊び友達でもあるね」
「だからか」
「そう、うちに来ても」
「家族と一緒に遊んでいない時はか」
「寝たりご飯を食べていない時もね」
 そうした時以外もというだ。
「保護猫カフェにいた時からそうだったみたいよ」
「あのけりぐるみで遊んでるんだな」
「そうなのよ」
「そういうことか」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「ソフィーは今もよ」
「ああしてか」
「あのけりぐるみで遊んでるのよ」
「そういうことか」
 夫もここまで聞いて納得した、そのうえで言った。
「わかった、じゃああのけりぐるみは僕達も」
「大事にしていきましょう」
「壊れてもな」
「なおしてね」
「ソフィーの傍に置いてあげような」
「そうしましょう」
「そうだね、僕も大事にするよ」 
 息子も言ってきた。
「あのおもちゃはね」
「そうしてあげてね」
「ソフィーの大事なものだからね」
「家族の宝ものはね」
「皆が大事にしないとね」
 一家で笑顔で話した、その一家のところにだ。
 ソフィーが来てだ、喉を鳴らして顔を摺り寄せてきた。
「ニャオン」
「今度は僕達と遊びたいんだ」
「よし、じゃあな」
「一緒に遊びましょう」
 息子だけでなく両親も笑顔になった、そうしてだった。
 ソフィーと共に遊んだ、そしてそれが終わるとソフィーはけりぐるみを傍に置いて寝た。その寝ている姿はとても幸せそうだった。


けりぐるみが好きな猫   完


                  2022・12・22 
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