星河の覇皇
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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその二十二
「弾丸が合わなくては」
「使えないですから」
「このことは今の時代も同じです」
「どうしてもです」
「銃弾も同じでないと」
「その口径も」
「大和の四十六センチ砲は強力でした」
その存在だけで威圧感があった。
「ですが」
「大和型だけでしたね」
「その四十六センチ砲は」
「それではですね」
「他の戦艦に使用出来ないのなら」
「整備は難しく」
そしてというのだ。
「量産もです」
「砲弾に至るまで、ですね」
「それが出来ないですね」
「どれだけ強力でも」
「ネックになりますね」
「コストもかかりますし」
「兵器は強力なだけでは駄目です」
八条はこの持論も出した、こうした兵器への考えもまた彼の国防長官としての政策に大きく出ている。
「量産性に整備性と」
「コストですね」
「そして安定感」
「こうしたことも考えるべきですね」
「奇想兵器は確かにありますと」
かつてのイギリス海軍や帝国海軍の様にというのだ。
「楽しくはあります」
「夢がありますね」
「そうした兵器が実際にありますと」
「市民も興味を持ってくれますし」
「それ自体は悪くないですね」
「ですが量産性や整備性を考慮すると」
どうしてもというのだ。
「難しいです」
「そういえばです」
周りの者のうちの一人がこう言ってきた。
「エウロパ軍は大将以上は自身の艦艇を建造出来ますね」
「オリジナルの」
「そうでしたね」
「ああした艦艇も同じです」
「一隻一隻特別な艦艇を建造しては」
「コストはかかり」
そしてというのだ。
「量産性や整備性でも問題が出るので」
「そして特別な艦艇なので」
「安定性もです」
兵器のそれもというおだ。
「不安なので」
「それで、ですね」
「ですから」
それでというのだ。
「あれはです」
「まさにイギリス海軍の様に」
「奇想に過ぎたものになりやすく」
「実用性に問題が出る場合もあり」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「特権階級ならではの」
「そうしたですね」
「そうした意識も感じられるので」
特権階級の意識つまり特権意識がというのだ。
「ですから」
「長官としましては」
「認められません」
「だから連合軍は、ですね」
「艦隊の旗艦はティアマト級で」
この戦艦に定めてというのだ。
「軍集団の旗艦はです」
「ゾロアスター級ですね」
「そうしています、また主砲等も」
そういった巨大戦艦の武装もというのだ。
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