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レーヴァティン

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第二百七十二話 戦に向けてその十

「その分足しになるからな」
「そしてその足しがや」
「大きいよな」
「そや、まあうちの兄貴は受験数日前はな」
 美奈代は自分の家族の話もした。
「高校、大学と勉強せんかった」
「そうなのかよ」
「三日位はな」
 受験前のというのだ。
「もうあえてな」
「それまで勉強してか」
「ことにあたってたわ」
「それで合格してたのかよ」
「どっちも第一志望にな」
「直前はされなかったんだな」
「そやったわ、それまではめっちゃやってもな」
 それでもというのだ。
「ほんまにな」
「数日前になるとか」
「せんかったわ、まあそうしたやり方もやるわ」
「そうなんだな」
「そや、けど今はな」
「受験でもないしな」
「何しろこの世界がかかってるんや」
 それだけにというのだ。
「ここはな」
「最後の最後までな」
「やってこな」
「勝つ為の努力をな」
「そうしてこな」
「そうしような」
「訓練に制限なしって言うね」
 淳二はこの言葉を出してきた。
「東郷平八郎さんの言葉だったかな」
「ああ、それで海軍を強くしようって言うんだったな」
「それで実際にそうしたんだよ」 
 大日本帝国海軍はだ。
「陸軍もだけれどね」
「月月火水木金金でな」
「ずっと訓練してね」
 ただし平時は休日もあり遊びにも興じていた。
「強くなったよ」
「そうだったな」
「だからおいら達もだよ」 
「軍を鍛えさせてるな」
「今もね」
「出陣のその日までな」
「そして本当に全体的に一レベルでも上がったら」
 美奈代の言う通りにというのだ。
「かなりね」
「違うな」
「一人一人のレベルが上がってもね」
 全体でなくともというのだ。
「その部隊にとってはね」
「大きいしな」
「だからね」
 それでというのだ。
「訓練はね」
「怠らないことだな」
「そうしていこうね、まあ休むこともね」
「大事だけれどな」
「ずっと動き詰めでも壊れるし」
「疲れてな」
「そうもなるから」
 このことも考えてというのだ。
「やっていこうね、訓練を」
「そして装備もな」
「上げていこう」
「少しでもな」
「そうしていこうね」
「強敵だってわかっているならな」
 クトゥルフ、この神がというのだ。
「それならな」
「幾ら強くしてもね」
「し足りないってな」
 その様にというのだ。 
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