星河の覇皇
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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその十七
「不思議ではあります」
「そう言われますと」
「確かにそうですね」
「ああした兵器がこれまでなかった」
「そのことは」
「それがです」
八条はまた話した。
「わからないですが、しかし」
「今こうしてですね」
「我々も開発して」
「そしてですね」
「オムダーマン軍はですか」
「既に」
「そうだと思います」
こう周りの者達に話した。
「性能はわかりませんが」
「それでもですか」
「開発、製造し」
「そして実戦に配備して」
「戦果を挙げた」
「そうですか」
「はい、ただ性能はわからないにしても」
それでもとだ、八条はこうも話した。
「やはり連合軍のものの方が上でしょう」
「やはり技術力が違いますね」
「我々はサハラの三百年は先を進んでいると言われています」
「軍事技術も然りです」
「彼等が銅なら我々は鋼です」
「そこまでの違いがあります」
これが三百年の差だというのだ。
「鋼の防具は銅の武器を寄せ付けません」
「鋼の武器は銅の防具をものとはしません」
「それだけの違いがあります」
「だからですね」
「我々のものよりもですね」
「サハラのあれは性能は落ちますね」
「それは間違いないです、それに」
八条はさらに話した。
「どうも魚雷を一度に数発放っていますが」
「一隻辺り」
「そうしていますね」
「そこも違いますね」
「我々が開発しているものとは」
「我々は魚雷だけではありません」
それに加えてというのだ。
「ミサイルも使います」
「それもミサイル艦が持っているものよりは小型にしても」
「かなりの威力のミサイルを使います」
「それも一度に十八発放ちます」
「かつての戦略兵器の様に」
周りの者達も八条に口々に話した。
「そうして敵軍を攻撃します」
「この攻撃はかなりのものです」
「かつては一隻で一国を滅ぼせた兵器でしたが」
「流石にそこまでは至らずとも」
「かなりの攻撃力があります」
「我々のあの兵器は」
「完成し実用化すれば」
その暁にはというのだ。
「まさにです」
「それだけの能力があり」
「戦術に大きな影響を与えます」
「大きな戦力になります」
「ですから手にするべきですね」
「必ず実用化すべきですね」
「そうしましょう、ただあの兵器は」
八条はこうも話した。
「問題がありました」
「かつてはですね」
「地球において使用されていた頃は」
「各国で研究が続けられていましたが」
それでもというのだ。
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