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レーヴァティン

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第二百七十一話 調べ終えその十一

「吸いものを食った気がしないぜ」
「そこまでだな」
「俺はそう思うぜ」
「俺もだ、ではだな」
「ああ、鱧が出たらな」
「頭も食うな」
「そうするな」
 笑顔で言うのだった。
 そうして鮪のカブト煮をそれこそ骨以外は仲間達と共に全て食べた。そしてその後でデザートとなったが。
 西瓜が出た、久志はその西瓜を見てまた言った。
「最高の贅沢だな」
「西瓜はか」
「ああ」
 こう言うのだった。
「俺はそう思う時があるんだよ」
「西瓜は最高の馳走か」
「こんな美味い甘いものはそうはないだろ」
「確かにな」
 英雄も否定しなかった。
「特に暑い時だ」
「美味いよな」
「これ以上ないまでにな」
「そうだよな、これはこっちにもあるよ」
 西の浮島にもというのだ。
「それでな」
「よく食ってるな」
「西瓜は大々的に植えさせて」 
 畑にというのだ。
「作らせてな」
「食っているな」
「俺達も民もな」
「全員がだな」
「俺達だけ食ってもな」
 久志は西瓜を手に取って食べつつ話した、西瓜は食べやすい様に小さく三角形に切られている。片手に取って食べられる大きさだ。
「美味くないからな」
「国全員が食ってだな」
「そうしてだろ」
「美味い」
 英雄もその通りだと答えた。
「だから今蝦夷でだ」
「ああ、メロン作らせてるな」
「そして薩摩や琉球でマンゴーをだ」
 そちらではこの草物をというのだ。
「作らせている」
「そこから浮島全体に行き渡らせてか」
「食える様にする」
「お前も考えてるな」
「俺もお前と同じ考えだ」 
 英雄も西瓜を食べている、そうしながら久志に話した。
「やはりだ」
「美味いものはな」
「誰もが食ってこそだ」
 そうした状況になってこそというのだ。
「意味がある」
「そうだよな」
「民が餓えていてだ」
「領主様だけたらふく食ってるとかな」
「腐敗の極みだ」
「堕落のな」
「そんな国家は存在する意味はない」
 最早、そうした口調の言葉だった。
「まさにな」
「その通りだな」
 久志もそれはと答えた。
「俺も同感だよ」
「そうだな」
「ああ、西瓜もそうでな」
「メロンやマンゴーもだな」
「他のものもな」 
 あらゆる食材がというのだ。
「誰もが腹一杯食えてこそな」
「意味があるな」
「ホロドロームなんてこそしたら」
 スターリンが行った政策だ、一言で言うと農民達か作物を根こそぎ奪い去ってそれを他国に売って外貨を稼ぐ政策だ。
「絶対に駄目だな」
「あんなことをすればやがて国は滅ぶ」
「絶対にな」
「事実ソ連はもうない」
「それが答えだよな」
「アフガン侵攻の失敗が大きかったというが」 
 この戦争で国力を消耗した結果だと言われている。 
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