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レーヴァティン

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第二百七十一話 調べ終えその六

「本当にね」
「そうだな」
「もう好きだと笑顔になって」
 その相手に向けるものはというのだ。
「嫌いだとね」
「嫌な顔をするな」
「それが露骨に出る人ってね」
「いるな」
「僕の親戚でそんな人いるよ」
 剛は自分の縁者の話をした。
「好きだとにこにことして全肯定なのに」
「嫌いだと嫌な顔になってか」
「全否定するんだ」
「そうした人か」
「もう嫌いな人とはお話もしないんだ」
「それはかなりだな」
「いつも嫌な顔をしてね」
 嫌いな相手に対してはというのだ。
「全否定なんだ」
「付き合おうとしないか」
「嫌いな相手とはね」
「そうした人がいるとわかるか」
「好き嫌いの大事さがね」
 人が感情として持っているそれはというのだ。
「僕もわかるつもりだよ」
「人付き合いで重要だとな」
「その人相当性格悪いか怨んでる相手でないとそこまでしないけれどね」
「嫌わないか」
「けれどその人見てわかったよ」
「好き嫌いも付き合いでは大事だ」
「そのことがね」 
 こう英雄に話した。
「本当にね」
「その人嫌いな人には嫌われてるわね」
 留奈は清音の話を聞いてこう述べた。
「絶対に」
「嫌えば嫌われるだな」
「そう、人間自分を嫌ってる相手はね」
「自然と嫌うな」
「そうなるから」  
 だからだというのだ。
「相手の人からね」
「嫌われているな」
「かなりね。若し自分以外の生きものが皆大嫌いなら」 
 世の中こうした考えの輩も存在している、極端な自己中心主義者であり。
「自分以外の生きもの皆からよ」
「嫌われるな」
「それもかなりね」 
 大嫌いと言われるまでにというのだ。
「そうなるわ」
「そうなるな」
「まあそんな人滅多にいないけれどね」
「俺も見たことがない」
 英雄にしてもだ。
「そこまでの奴はな」
「自分以外の生きもの全部大嫌いとか」
「好きなのは自分だけだな」
「まさにね」
「極端な自己中か」 
 英雄もこう言った。
「即ち」
「そうよ、自分しかなくてね」
 それでというのだ。
「自分のこと以外をすると不平不満たらたらよ」
「家族としてもいられないな」
「そんなお婆ちゃんがいたけれど」
「どうなった」
「もうお家の中で揉めごとばかり起こして」
 そうしてというのだ。
「挙句はお孫さんの一人が本気で怒って」
「そしてか」
「精神病院に放り込まれたわ」
「そうなったか」
「それで一生出られなくなったそうよ」
「それは聞いたことがあります」
 ここで峰夫が言ってきた。 
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