星河の覇皇

　　　　　　　　　　　　　　　撤退する者達の焦り
　オムダーマン軍との戦いに敗れたティムール軍は撤退を続けていた、その中でティムール軍の上層部は憔悴を感じていた。
　その為軍団長クラスの者達も不安な顔で軍議を行っていた。彼等はフラームの前に集まりそれぞれ言っていた。
「何とかですな」
「はい、危ういにしましても」
「次の防衛ラインに入られます」
「それは大丈夫です」
「それには間に合いそうです」
「それも全軍」
　直接顔を見合わせている、艦内の会議室にそれぞれの軍団の旗艦からあえて集まってそのうえで話しているのだ。
　その中でだ、彼等は言うのだった。
「何とか防衛ラインには入られます」
「それは間に合います」
「ですが」
　それでもと言うのだった。
「それは間に合っても」
「それでもです」
「防衛ラインを築き終えるまでに」
「オムダーマン軍が来れば」
「迅速にラインを構築しないと」
「さもないと」
　それこそと話すのだった。
「それが遅れると」
「厄介なことになります」
「オムダーマン軍が来て」
　敵である彼等がというのだ。
「そしてです」
「攻勢に出ます」
「そうしてきます」
「そうなることは明らかです」
「それではです」
「今以上にです」
　まさにというのだ。
「速度を速めましょう」
「今でもかなりですが」
「今以上にそうして」
「何とかです」
「防衛ラインを築き」
　それをというのだ。
「そうしてです」
「オムダーマン軍の攻勢を凌ぎましょう」
「何とかして」
「物資も届いていないですが」
「それでもですね」
「機雷はあります」
　これはというのだ。
「そしてあの辺りはアステロイド帯も多いですし」
「地の利はあります」
「それならですね」
「そうしたものを使って」
「そうして守っていきましょう」
「コロニーレーザーや攻撃衛星も移動させていますし」
「それならですね」
「まずは防衛ラインを敷いて」
　そしてというのだ。
「オムダーマン軍を防ぎましょう」
「今は何とかそうして」
「そしてですね」
「シャイターン主席が戻られるまで」
「その時まで防ぎましょう」
「そうです、お命に別状はありません」
　ここで会議の長の座に座るフラームが言ってきた、これまでは沈黙を守っていたがここで口を開いたのだ。
「只のインフルエンザですし」
「それならですね」
「お命に別条がないなら」
「大丈夫ですね」
「間もなく目を覚まされて」
「復帰されますね」
「そうなりますので」
　だからだとだ、フラームはまた話した。