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第四十四話 夏休みがはじまってその一
第四十四話 夏休みがはじまって
夏休みに入ると一華達はアルバイトに入った、五人共八条町の海の家で朝からアルバイトをするが。
それに向かう電車の中でだ、理虹が妹の実加と話したことを聞いてだった。一華は自分の胸にあるハートのペンダントを触りながら言った。
「北朝鮮に生まれたらそれだけで終わりね」
「そこが気になったの?」
「あんな国に生まれたらって思ったら」
隣に座り理虹に話した。
「どうしてもね」
「そう思うのね」
「ええ。いいことなんてないでしょ」
「何一つとしてね」
理虹もそれはと答えた。
「もうそれだけでバッドエンドまでよ」
「確定よね、餓死とかね」
「粛清とか」
「あそこで真っ当に死ねるとか」
そうしたことはというのだ。
「考えられないわ」
「そうよね」
「もう毒親が親だった」
「それ並ね」
「そう思うわ。毒親もね」
「酷くなるとね」
「本当に虐待に育児放棄だから」
そうしたことがあるからだというのだ。
「北朝鮮に生まれるのと同じ位ね」
「絶望ね」
「お父さんもお母さんも怒ると怖いけれど」
一華はそれでもと話した。
「けれどまともだから」
「それうちもよ。まともな国に生まれてね」
「まともな親だったらね」
「それだけで違うわよね」
「幸せよ。それで私もあの漫画読んでるけれど」
一華は今度はこちらの話をした。
「実加ちゃんが言ってたね」
「あの漫画ね」
「作者さんには本気で言いたいわ」
「仕事しろね」
「そうよ、とっとと描きなさいよ」
一華はむっとした顔で言った、こめかみに血管が浮き上がっている。
「全く」
「あんた怒ってるわね」
「怒ってるわよ、単行本下書きだった時なんて」
一華もこの時のことを話した。
「編集部に抗議しようかってね」
「思ったの」
「思わず単行本で電話番号確認して」
下書きだったそれのというのだ。
「それでよ」
「お電話しようと思ったの」
「そうしようかって思ったわ」
「そこまで怒ったのねあんた」
「全く。仕事しないにも程があるわ」
一華はこうも言った。
「幾ら一生食べていけるだけ稼いだとしても」
「それでもなのね」
「今連載している作品はよ」
それはというのだ。
「ちゃんとよ」
「描くべきね」
「そうよ」
絶対にというのだ。
「本当にね」
「それね。私もあの作者さんには言いたいわ」
富美子も言ってきた、五人共ラフなシャツに半ズボンにサンダルという恰好だが彼女が一番派手なファッションなのは今回も同じである。
「仕事しろってね」
「あんたもなのね」
「私単行本全巻持ってるからね」
「それだけになのね」
「余計に思うわ」
こう理虹に話した。
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