星河の覇皇
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第八十二部第四章 破竹の進撃その五十六
「新天地に向かう」
「暗黒宙域を踏破し」
「そこで得た資源で国力を伸張させ発展し」
「技術も革新させて」
「そのうえで」
さらにというのだ。
「遥かに先のことですが」
「それでもですね」
「その時の為の一歩として」
「今は」
サハラと、というのだ。
「そうなりますね」
「やはり敵は少ないことです」
「それに越したことはありません」
「全くですね」
「このことは」
「軍人はいざという時は戦いますが」
それでもともだ、彼等は話した。
「それでもです」
「はい、決してみだりに戦うものではありません」
「剣はしきりに抜くものではないのですから」
「敵は少ないに限り」
「みだりに戦わず」
そしてというのだ。
「他のことに励むべきですね」
「我々の仕事は多いのですか」
「軍人の仕事は」
「その勝利に備えて」
「その時に備えて」
「まさにですね」
「働かねばならないので」
然るべき相手に勝つ、その為にというのだ。
「みだりにあらゆる敵と戦う」
「そうあるべきですから」
「敵は少なくして」
「その敵と最低限の戦を行い」
「勝利を収めるべきですから」
だからだというのだ。
「敵はです」
「それはですね」
「やはり少ない」
「それに限りますね」
「むしろ敵が多いなぞ」
「国家にはよくありません」
「国家戦略として失格ですね」
まさにと言うのだった。
「実際に敵が多く敗れた国もありますし」
「我が国ですね」
金髪碧眼の美女が言ってきた、ロングヘアが映えておりその階級は中尉である。
「ドイツですね」
「ああ、そうでしたね」
「二度の世界大戦でのドイツは」
「多くの敵を抱えていましたね」
「フランス、イギリスと」
「ロシアがソ連だった場合もありましたが」
「東西に敵を抱え」
そうしてというのだ。
「両方に戦線を持ち」
「一次大戦ではイタリアとも戦いましたし」
当時のドイツから見て南にあるこの国ともだ、ただしドイツ軍はイタリア軍には楽に戦っていたと言えた。
「北のデンマークやノルウェーとも」
「そしてベネルクス三国とも」
「とかくでしたね」
「ドイツは敵が多く」
「その為苦労しましたね」
「欧州の中央にあったので」
まさにそこにだ。
「そしてでしたね」
「常に他国に囲まれ」
「その多くが敵で」
「少し外交を間違えれば」
「それが窮地につながりましたね」
「そしてその窮地は」
まさにというのだ。
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