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八条学園騒動記

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第六百七十八話 従姉と弟と三人でその一

                従姉と弟と三人で
 トムはこの時自分達の部屋で同居している従姉のメアリーそして弟のシッドと三人でテレビを観ていた。
 そして丁度画面にスパゲティが出たところで二人に言った。
「そういえばカナダってお料理評判聞かないね」
「そうね」
 メアリーも確かにと応えた、三人共それぞれの席に座っている、そのうえでテレビを観て楽しんでいる。
「特にね」
「スモークドサーモンとかはね」
 シッドはこの料理を出した。
「はっきり言うとね」
「何処でもあるね」
「そうなんだよね」
「だからね」
 トムは今テレビに出ているスパゲティ、ペスカトーレのそれを観ながら話した。
「ちょっと寂しく思ったよ」
「カナダで評判にならないのは他のことでもでしょ」
 メアリーは諦観した様に言った。
「はっきり言えば」
「それはね」
 トムも否定しなかった、もっと言えば出来なかった。
「我が国はね」
「連合一目立たない国ってね」
「ずっと言われてるね」
「所有している星系は第二位で」
 その所有数がだ。
「ロシアに次いでいて」
「国力だって高いよ」
 シッドも言ってきた。
「連合でも二十位以内だよ」
「そうなんだよね」
「どの星にも豊かな自然があって」
「生態系も見事でね」
「観光にも恵まれているよ」
「我が国はね」
 トムもその通りだと頷いた。
「技術レベルも高いし」
「学術的にも優れてるし」
「芸術もいいし」
「産業だって盛んなのに」
「全部これといって目立つ部分がないのよ」
 メアリーは二人に口をへの字にさせて語った。
「これがね」
「ああ、それだね」
「目立つ部分はね」
「カナダってないね」
「どうしても」
「アメリカや中国は滅茶苦茶目立つでしょ」
 メアリーはこの二国の名前を出した。
「自己主張も凄いしね」
「そうだね、どっちの国もね」
「どぎついまでだね」
「日本みたいにいるだけで華があるとか」
 そうしたというのだ。 
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