レーヴァティン
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第二百七十話 禍々しさを知りその二
「あらゆることに限度があり」
「それは神様でもでな」
「力を全て解放しますと」
「レベルで千位に達してもな」
「長い間そのままでいられず」
力を解放させたままでだ。
「また解放させますと」
「長い間それは出来ないな」
「その様ですね」
「文献を読むとな」
「それで今までずっと私達に何も出来なかった」
双葉はクールに言った。
「する気もなかった様だけれど」
「力の意味でもな」
「その様ね」
「そうだな、しかしな」
久志は双葉にも応えて言った。
「文献を読んでるとまた力が解放出来るのは何時かわからないが」
「私達と戦う時でもね」
「おかしくないな」
「ええ」
双葉はその通りだと答えた。
「私もそう思うわ」
「そうだな、むしろだ」
久志は考える顔になって話した。
「解放出来る時までな」
「私達の好きにさせていた」
「そうかもな」
「そこまで読んでいるのね」
「神様だからな」
それ故にというのだ。
「何故神様かっていうとな」
「力があって」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「広く先の先まで見ているからな」
「神様ね」
「ギリシア神話の神様だってな」
とりわけ有名な神々である彼等もというのだ。
「人間みたいな性格でな」
「すぐにカッとなるな」
美奈代が応えた。
「あの神話の神様達は」
「人間もそうでな」
「それで洒落にならんことするな」
「滅茶苦茶感情的だな、しかしな」
その極めて人間的もっと言えば感情的な彼等もというのだ。この神話では神も人もそうした性格である。
「それでもな」
「神様やからな」
「人間よりはな」
神話に出て来る彼等と比べてというのだ。
「広く先をな」
「見てるな」
「あの神様達だってそうだしな」
兎角感情的な彼等もというのだ。
「だったらクトゥルフだってな」
「広く先の先までやな」
「見てるだろうな」
「それでやな」
「力を解放して世界を石に変えて」
「海に沈めてな」
「俺達がこの世界に来てだ」
そうしてというのだ。
「二つの浮島を統一して」
「自分のことも知ってな」
「自分と戦る様になるまでな」
まさにその時までというのだ。
「待っていてな」
「うち等がそこまでする頃にはな」
「自分が力を解放出来る」
「そうなることを読んでいたかもな」
「そうかもな」
こう美奈代に話した。
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