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おっちょこちょいのかよちゃん

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246 神と神の激突

 
前書き
《前回》
 東アジア反日武装戦線の片岡とアサカワはかよ子の羽根の結界を火薬で消滅させてかよ子達に接近してきた。だが、かよ子の武装の能力(ちから)で二人を何とか遠ざけた。そして雷の山で戦ったアリスと再戦するすみ子達は彼女のティアラの以前とは非なる程の強力な攻防に手こずる。だが、大天使ミシェルの炎の支援に回る事で何とかアリスを撃破するのだったが、彼女達の元には赤軍の岡本公三が!! 

 
 椎名と関根は火薬を隆盛が召喚した狛犬に奪われた状態の片岡とアサカワを取り押さえようとした。その時だった。七人の男が現れた。狛犬を斬り刻み、椎名と関根を襲う。
「な、何だ、お前らは!?」
 関根が忠治の刀を振って追い払う。だが、その隙に片岡とアサカワが狛犬を追い払った男に連れて行かれてしまう。のり子の人形が念力を、少女がスケッチブックを使って鳥を出して足止めしようとした。しかし、別の侍が鳥を返り討ちにした。のり子の人形も動きを止めようと金縛りを試みた。
「に、逃げるなんて、許さないよ!!」
 かよ子も短刀と武装の能力(ちから)を発動させる。だが、その中の一人が火縄銃を発砲し、かよ子の羽根の近くで爆発を起こした。
「キャアアア!!」
「うおおお!!」
 幸い結界が働いて無事だったが、かよ子の羽根が吹き飛ばされ、爆発の煙で周囲が見えなくなってしまった。
「し、椎名さん・・・、せ、関根さん・・・!!」
 かよ子は二人の警官の安否を確認すべく、名前を呼ぶ。
「お、俺達は大丈夫だ・・・!!」
 椎名も関根も無事だった。しかし、七人の男と片岡、アサカワの姿はなかった。
「くそ、逃げられたか・・・!!」
 椎名と関根は悔しがった。
「皆の衆、行ってしまった者共に構う(いとま)はない。山田かよ子の杖を取り返す地にもう近づいているのだからな」
 次郎長が呼び掛けた。
「う、うん!!」
 かよ子は羽根を飛ばす。

 片岡とアサカワは七人の侍の援護によって戦闘から離脱する事ができた。
「全く、サツにやられるところだったな」
「でも、あの犬、よくも私の服を・・・!!新しいのに着替えなきゃ!」
 アサカワは隆盛が召喚した狛犬に恥辱感を持っていた。
「よう、無事だったか」
 赤軍の和光晴生と合流する。
「和光・・・、この人達は貴方が出したのね」
「ああ、『七人の侍』って映画から出てきた連中だ。いいお助けになったろ」
「ところで岡本はどうした?」
「あいつはまだヴィクトリアの戦線に立ってるぜ。俺はちと別の用件に回ろうかな。兎に角、大事な服がそんなんじゃ歩けんだろ。本部へ戻るぞ」
 和光はラドンを呼び寄せる。二人と共にその背中に乗って本部へ向かった。
(岡本・・・、お前は()ってくれよ・・・!!)
 和光は仲間の健闘を祈った。

 アリスを撃破したすみ子達は今度は赤軍の岡本公三と交戦する。岡本は聖母マリアを召喚した。
「マリア様よ、この者共に裁きを!」
「宜しいでしょう」
 マリアがすみ子達を攻撃する。すみ子は銃で結界を張るも全くの無効だった。山口や川村などは武装の能力(ちから)で防御するが、守りきれない。
「こちらも神の力をとことん使わせて貰う!!ミシェル、この者を迎撃してくれ!!私は他の神を呼ぶ!!」
「よかろう」
 大天使ミシェルはマリアの裁きの光を炎で防御した。ジャンヌは迎撃の支度を急ぐ。
「聖マルグリット、聖カトリーヌ!!」
 ジャンヌは自身が召喚可能な二体の神を召喚した。聖マルグリットと聖カトリーヌ。大天使ミシェルと合わせて彼女が召喚可能な神だった。
「なんと、悍しきマリア様!!こんなものは本物のマリア様ではない・・・!!」
「これは邪神でありましょう」
「マルグリット、カトリーヌ!!あの(よこしま)なるマリアを共に倒そう!!」
「了解!!」
 マルグリットが剣を出し、車輪をマリアに向けて放つ。マリアは裁きの光で車輪を破壊する。しかし、その裁きの光はすみ子達には効かなかった。カトリーヌが守護の術を発動して防御していた為だった。
「大天使ミシェル!!そなたの炎と私の剣で!!」
「よし!」
 ミシェルの炎とマルグリットの剣が合わさり、炎のの剣と化す。
「うおおお!!」
 マルグリットが聖母マリアに突撃した。マリアが結界を張る。両者とも動かない。
「お、俺達も見てる場合じゃねえぞ!」
「了解でやんす!」
 ヤス太郎が眠り玉で岡本を襲う。川村もバズーカで、山口も矢を放つ。だが岡本への攻撃も結界で弾かれた。
「私も!」
 エレーヌが飛行し、結界に体当たりする。
「この女!!」
 聖母マリアがエレーヌに気を取られそうになる。だが、マルグリットの結界が弱まった。
「今です!!」
 山口がもう一度矢を放つ。結界に刺さり、消滅させた。
「喰らえ!!」
 マルグリットの炎の剣がマリアを両断する。マリアが消滅した。
「何、こんな事が!!」
 岡本は驚く。
「ここでくたばってたまるか!!」
 岡本は手榴弾を投げた。爆発が起きる。
「なっ・・・!!」
 すみ子は咄嗟に銃を出して爆発が自分達に降りかかるのを防いだ。爆発の煙が消えると岡本はその場にいなかった。
「なんて忍者見てえな奴だ・・・!!」
 川村は取り逃がした事を悔しがった。
「しかし、追っている暇はありません。杖の奪還の為にもヴィクトリア女帝の所へ急ぎましょう」
「うん・・・!!」
 一行はヴィクトリアの館へと向かった。

 岡本は手榴弾で行方を晦ました後、和光が出迎えるように現れた。
「よう岡本。無事だったか」
「ああ、杖を取り返しに援護する奴等と戦ったが、俺みてえに神を使う奴がいるからやられちまうところだったぜ。んで片岡とアサカワは?」
「ああ、杖の持ち主達にコテンパンにされちまったみたいでな。本部に引き返させたよ」
「で、俺達はどうするよ。このままヴィクトリアの所へ先回りにするか、見捨てるか」
「まあ、最後の最後まで援護してやろうぜ。ラドンを出してやるからヴィクトリアの館へ行くぞ」
 和光は携帯型ビデオカメラからラドンを召喚し、岡本と共にその背中に乗った。

 ヴィクトリア女帝はある物を握り締める。
「私の娘や側近を次々と葬って・・・。許さぬ!!」
 彼女が持っているものは最上位の道具・杖だった。 
 

 
後書き
次回は・・・
「頑丈な戦車の宿命」
 ベニートに赤軍の山田義昭と交戦する冬田達は山田が乗る戦車の破壊を試みるが、以上に硬く、更に砲撃以外にも様々な攻撃を繰り出す為に檄はできずにいた。そんな彼らに攻略する術はあるのか。そしてかよ子達は遂にヴィクトリア女帝の館へと辿り着く・・・!! 
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